主要登場人物
●リート
グラスランド衛兵騎士団内、正騎士隊の一部隊である万象調査隊に所属する騎士。
男性、二十三歳。兄一人の末っ子。均整のとれた体格、くせっ毛。身軽。詰めが甘い。趣味は楽器演奏と舶来品の収集。鶏料理が好物。匂いのきつい野菜が苦手。兄や上司の影響で言動がおっさんくさい。
街の衛兵として警邏の仕事をしていた所、サーラに誘われ調査隊へ異動。父母は学者として文献調査の仕事をするため隣国へ移動している。兄ロンズは教会勤務で孤児の教育者。
●ユーカ
万象調査隊に所属する騎士。
女性、十七歳。妹一人の長女。スレンダーな体型、濃紺色の長髪を編んだりハーフアップにしたりおさげにしたり。幸運の星の下に生まれた。天然の気がある。趣味は甘味食べ歩きと見えないところのおしゃれ。脂っこいものが苦手。
祖父は一介の農夫でありながら王都でも有名な剣術指南者となった豪傑リギン。父母は農業従事者。妹は食料品販売の大店で修行中。幼い頃お転婆だったので教師が騎士修行を推薦した。修行を終え、そのまま衛兵騎士団へ入団。
●サーラ
万象調査隊に所属する研究者。騎士団と王室が共同管理する地下倉庫の番人二代目。
女性、二十五歳。ゆるく波打つ長い金髪を後頭部でまとめている。スタイル良し、巨乳。考古学、博物学、医術、魔術、錬金術に精通する俊英。黒いローブを好んで着ているのは魔女っぽく見えるという理由から。趣味は草花の研究。
リートにとっては学生時代からの先輩で仕事を教えた師匠の一人。知識が豊富な調査隊の辞典。
●ランジャック
万象調査隊を率いる隊長。
男性、四十歳、独身。細面でメガネ。黒髪オールバック。見た目はクールだが中身は熱い。やたらとモテる。しっかり眠っているのに目の下のクマがとれないのが悩み。趣味は酒と歴史書収集と魚釣り。
リートの事は馬鹿だと思っているがそれも愛情表現の一つ。
●アンルカ
万象調査隊に所属する騎士。
女性、三十二歳。調査隊の補佐兼副隊長で頭脳派。茶髪をバレッタやピンで雑に留めている。見た目はホット、中身はクール。甘党でありながら絡み酒。趣味は編み物とパズル。
仕事で婚期を逃したが、いざとなればランジャックを篭絡しようと思っている。
●ヘクス
万象調査隊に所属する騎士。
男性、二十四歳。背が高い。頑丈。堅物。強面。気は優しくて力持ち。リートと同時期に調査隊へ配属された。ぼそっと的確な発言をするタイプ。魚料理が好み。趣味は皮製品作り。ヘビが苦手。
●キアフット
万象調査隊に所属する騎士。寮の部屋がリートと同室。
男性、二十七歳。男前。爽やか。武器収集と機械の製作が趣味。リートに影響され、武器を打ち直して変な仕掛けを仕込むようになった。飄々として重い話をかわすのが得意。非番時にリート、ヘクスと馬鹿話をするのが楽しみ。恋人にこっぴどく振られてから女性が少し苦手。
●ニラック
万象調査隊に所属する騎士。
男性、三十八歳、既婚、娘と息子あり。ヒゲ面短髪。がっしり体格の人情派。息抜きにランジャックと飲みに行くのが楽しみ。「おう」が口癖。趣味は日曜大工と野営道具の開発。妻と娘に「汚いからヒゲを剃れ」と言われているが頑として拒否。
●ウィネット
万象調査隊に所属する騎士。
女性、四十六歳、既婚、夫と死別、息子二人。ショートカット。背が低い。調査隊の精神的支柱。明朗快活で前向き。趣味は料理と歌うこと。
六年前、共に農業をしていた夫が病没、その後ランジャックに依頼され騎士団に復帰。息子達は学業をしながら衛兵の修行中だが、長男は橋梁設計士志望。