小豆を煮る
七草粥のことを書いた時に触れましたけれど、私は小豆粥が大好きです。甘く作っても、塩味にしても美味しいお粥ってこれだけだと思うんです。
小さい頃は風邪をひく度に祖母に小豆粥をねだりました。残りの小豆をぜんざいにしてもらって。私は桃缶より断然ぜんざいです。
小豆を煮たものも好きです。ぜんざい風のも、濾したものも。中学生の時にスーパーでさらしあんを見つけて狂喜しましたもの。
これで簡単に漉し餡がいつでも作れる!って。
今でも一袋はストックしています。
小豆は煮るのに一晩置かなくても大丈夫なところが嬉しいです。思いつくとすぐに作れます。
夫婦二人暮しの今、ちょっと持て余すくらいの量を作ってしまうことだけが難点だったのですが、小分けして冷凍、という技を覚えたので調子に乗っています。
焼いたお餅にかけたり、水気を切ってつぶしあんにしてトーストに載せたり、白玉を入れたり…
食べ方は幼い頃から変わりませんが、それだけに色々なことを思い出します。
小学生の頃、冬のからっ風に顔を真っ赤にして帰宅した時、祖母が煮ておいてくれたぜんざいの温かさ。
中学生の時、バレンタイン前にフラれた友人が我が家に来て大泣きした後で一緒に食べたお汁粉。
高校生の時、お餅を食べ尽くす会を友人宅で開いたときに私が持ち込んだ大鍋いっぱいのぜんざい。
「こんなに食べきれないよ」
と言われたけれど、皆で食べたら全然残らなくて。
「カロリー増やしやがって」
あとからそんな苦情?お小言?を言われて割に合わな
いなあと思ったこと。
そうして私の子どもたちがぜんざいを美味しそうに食べてくれたあの頃、その時。
小豆を煮る度に増える思い出も一緒に煮込んで。さぁいただきましょう。