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黒豆
お節料理に今でも欠かせない黒豆ですが、
私、小さい頃から実家の黒豆が苦手です。
わざと固くて皺が寄るように煮ているのです。
味の沁みも悪いし。
で、結婚した後は自分の好きなように作っています。
柔らかく、味が良く沁みるようにふっくらと。
家人と子どもたちにも好評で、割と早く食べ尽くされています。嬉しい。
でも、母には不評です。
お正月の黒豆は長寿を願って皺を作るんですって。で、
「まめに働き、日に黒く焼けて、堅く(丈夫とか強いとかの意味)あるように」
と願っていただくものなのだから、だそうです。
うーん。
「まめ(黒豆)にくりくり(栗きんとん、昔は勝ち栗)働いて、田を作り(田作り、鰯の油粕は田畑の肥料だったから煮干しで作るあれをそう名付けたらしい)、よく収穫をかき取る(干し柿)ように」
で口取りに黒豆、栗きんとん、田作り、干し柿を出すというのは知っていたけれど。
黒豆一つにこんなに縁起を担いでいたとは。
と、初めて聞いた時に感じ入りました。
でも、やっぱり私はふっくらつやつやの黒豆が好きなので改めてはいません。堅いのはどうせ実家で食べさせられるし。