クリスマスカードからのお喋り
友人のFから届いた早目のクリスマスカードがドイツ製でサンタさんが緑の服を着てました。少し違和感。
アメリカの赤いサンタさんに馴染んでますからね。
モミの木のイメージからかしら。なんて思いながらカードの裏を見たら黒い服のサンタさん。
しかも傍らの袋の口から子どもの脚が出てます。
え、何これ?と思ったのでFに電話して訊きました。
ドイツでは悪い子は黒いサンタさんが袋に入れて連れて行ってしまうのだそうです。
やだ恐い。ドイツに生まれていたら私絶対連れて行かれてましたね。
以下、Fとの会話で判ったこと諸々です。
アメリカはもう少しソフトで、悪い子の靴下にはプレゼントの代わりに鞭(もしくは木の枝)が入っているとか。
ヨーロッパの妖精のような者たちはキリスト教に潰された様々な宗教の残滓なのでことさらに不気味に創られていたりする側面があるのだとか。
更にあえて人の倫理(これだってキリスト教が基だし)から外れたことをする(させる)んですって。
え、サンタさんて聖人じゃないの?
確か聖人だったと思ってたんだけど。
セントニクラウスでしょう。訛ってサンタクロース。
妖精扱いすることもあるの?
……やってることが妖精じみているのだそうです。
だって机に置かれたミルクとお菓子を食べるって、まんま妖精へのお礼だものって。なるほど。
クリスマスだって古代ローマの光の神の祭日(冬至が終わって少しずつ日が伸びてくるのを光の神が復活したといって祝う日)だったのだし。
その日は人々が気の合う者同士で集まって宴を開けたので、当時迫害されていたキリスト教徒も憚ることなく集会が出来たというのが由来の一つなんですって。
まあ、聖書に書いてあるように羊飼いがのんびり空を見上げて野宿出来る夜なら冬ではありませんよね? 結構いいかげんなんだなぁと思ったことは内緒です。
天使なんてルネッサンスの頃まではまだ威厳があるような描かれ方でしたけれどラファエロがキューピッドにしてしまいましたよね。可愛いから好きですけど。
え。ハロウィンってカソリックの聖日が由来なの?
次の日の十一月一日が万聖節。それ何?
全ての聖人が天国に集まるの?出雲の神在月みたいだね。
それで前日の夜から地上に聖人がいなくなって、魔物や妖精が悪戯をしに人の住む所に行きたがるから
人間が先に魔物とかに変装して、魔物や妖精のやりそうなこと(トリックオアトリートですね)をして見せて
「ここはもう魔物で満員だよ。別の所に行きな」
って追い払うのか〜。
ジャックのランタンのカボチャは元々はカブだった?
納得。カボチャは南米原産だものね。
うん。あのね。
ヨーロッパにジャガイモが入って来る以前は、その替わりを果たしていたのがカブとそら豆、エンドウ豆なのよ。主食に次ぐ物だったの。今のカブは柔らかいけれど当時は今のより堅くて保存に向いたカブがあったみたい。
Fと電話するといつもこんな感じで長〜くなります。
でも楽しい。物知り(私が全然知らないジャンルで)な友人と話すと少し知識がついた気がします(付焼き刃ですが)。