沖縄芝居 大好き
すごく好きなもののことを書こうと思います。
沖縄のお芝居。
もう大好きです。
古いお芝居は大抵歌劇で、台詞が歌になっているのがたまらなく嬉しいのです(聞き取りやすく覚えやすいから)。
台詞が歌になっていないと結構な早口でやりとりされるので沖縄語初級者としては少し辛いです。
でも所作やその後の展開で判ることも多々あります。
時系列の乱れが無いので判りやすいですし。
(昔を振り返ってどうこう、というのは台詞の中には出てきますけれど舞台上の演技はありません。)
一番初めは沖縄語の学びの為、ではありませんでした。
歌の部分を聴いて覚えて真似をする為にビデオ(後にDVD)を購入したのです。
民謡を習い始めた時。私は歌う、というとファルセットでした。特に高音域になるとビブラートがかかる癖がついていました。
でも沖縄民謡は地声で歌うもので。ビブラートなんか絶対ダメ。厳禁です。
で、どうしてもそれが出来なくて落ち込む私を見かねた沖縄出身の年配の方たちから
「沖縄芝居、特に歌劇は台詞を歌うことがあるけれど話すように歌うから。それを真似してみたら?」
とアドバイスを受けまして。まずはビデオを一本買って観てみたら。もう大好きになりました。
当初の目的は…忘れたわけではありませんよ。
まぁ少しは以前より歌えるようになったかしら?
…先生から未だに注意されますけど。…え〜と…
芝居のビデオは当時でも古い映像でした。後に購入したDVDはビデオを焼き直したものが殆どです。近年のお芝居のDVDは本当に少ないです。
だから良いなあと思った役者さんは故人が多いです。
私が映像を見るようになってから今までに亡くなった方々も少なからずいらっしゃいます。悲しいです。
勿論、今も元気な方々はおられますけれど。
そうして数年前からネットに慣れてきた私が沖縄芝居の検索をするようになり、やがてチケットを購入出来るようになりました。やった!
それからは年に一度か二年に一度くらいは芝居を観る為に沖縄に行っています。
やはり生の舞台は良いです。観た後の満足感が違います。
いつか「泊阿嘉」をきちんと観たいものです。
そのお芝居は沖縄版「ロミオとジュリエット」のような感じの(親族の争いなどはありませんが)悲歌劇としてよく知られている演目です。
ビデオやDVDに収録されている「泊阿嘉」は
主人公が親の言いつけで離島に行っている間に女主人公が亡くなり、そのことを知らずに戻って来た主人公が嘆きのあまり死んでしまうところで終わります。
けれども昔からの芝居ファン(私に芝居を勧めた人たち)によるとそうではなく、
主人公の亡骸が持つ恋文(先に亡くなった女主人公からのもの)を読んだ両家の親たちがこの時点で初めて二人が恋仲であったことを知り、
「この世では結ばれなかったこの二人が、せめてあの世で夫婦として結ばれるように」
とあの世で二人が結婚出来るように祈りを捧げます。
すると、あの世でとはいえ晴れて結婚を許された二人が白い衣装を着けて現れ、二人で喜びの舞を踊り、踊っているうちに幕…というのが本来の終わり方なのだそうです。
「それは綺麗なのよ。確かに悲劇だけど、救いがあるのが良いの。」と。
未だ機会が無くて観たことがない、その場面をいつか観たいと思っています。