椿の花 あれこれ
山茶花が咲き始めました。
それに少し遅れて藪椿の花が開くと私にとっては真冬になります。
椿の花は花首から落ちるから縁起が悪い。
そう言われるようになったのはいつ頃からでしょう?
徳川家光が愛でた花として武家を中心に人気があった椿なのに。
また、春の神である佐保姫が宿ると云われたのはどんな椿だったのでしょう。
園芸品種でないならやはり藪椿なのかしら。
私は春に咲く椿よりも藪椿や山茶花(特に一重咲き)が好きです。雪と見紛うような白い花も、春を先取りしたような赤い花も。
この時期は他に咲く花が少ないので、椿の花を見かけると何だかお得感があります。私だけでしょうか。
友人のNは名前に「乙」が入っていて、それが自分でも大変気に入っていました。
乙女の「乙」だから結婚し辛いとか言ってたくせに仲間内で一番早く結婚してしまいましたけど。
Nが式を挙げたのは三月の終わり。
ちょうど彼女の好きな乙女椿が満開の頃でした。
ピンクと白の乙女椿でその日の朝、大急ぎでブーケを作ってもらい(乙女椿は生花として花屋にはありませんから私の近所にある椿の持ち主に事情を話して分けて頂きました。ブーケ作りはフラワーアレンジが出来る別の友人に頼みました)、Nに渡しました。
出来るかどうかわからなかったので何も知らされていないNはびっくりしながらも喜んでくれて。
式が終わった後の披露宴のテーブルにそのブーケを飾ってくれました。
八重の白い山茶花や藪椿を見る度に少し小柄なNのウエディング姿が思い浮かびます。
藪椿が終わると乙女椿が咲くのももうじきです。
Nと会って話をしたいなと毎年思う時分です。