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バースデープレゼント

娘たちは割と年齢が近かったせいか、幼い頃は休みの日になると家人の取り合いをしていました。

私は身体を悪くして自宅療養中、とはいっても寝たきりではなく、小まめに横になって休むくらい。子どもを構う時間はありましたから、私と娘たちとは一人一人とゆっくり話したり、絵本の読み聞かせをしたり、一緒に昼寝したりとかも出来ました。


でも家人は。

一所懸命早く帰宅してくれましたけれど。

娘たちは就寝がとにかく早かったものですから(小学三年まで午後八時)。せいぜい一緒にお風呂に入っておしまいです。それも出来ずに寝顔を見るだけのこともしばしばでした。

だから休日は娘を構いまくりました。すごく子ども好きで子どもと(で?)遊ぶのも上手な人です。

娘たちは各々自分と遊んで欲しくて取り合いになったのです。


それで家人は、娘たちの誕生日に近い祝日をバースデープレゼントとして「お父さんと二人だけでお出かけする日」にすることにしました。

朝から遊園地でも動物園でも映画でも。娘の望む所に行ってお昼を食べて、買い物をして(記念として必ず何かしら買います)、夕方に帰宅。

お父さんを独占出来た子は嬉しそうでした。

五歳から十五歳まで、そうしていました。

翌年からは高校生になります。多分友人たちと過ごしたがるでしょう(実際その通りでした)。


十五歳になって、最後の家人と娘のお出かけは家人が好きだったフレンチレストランのお昼のフルコースでした。

そんなに高価くはないけれど、美味しくて内装も洒落ていて私も大好きなお店でした。残念ながら数年前に閉店してしまいましたが。


これは家人が決めたことです。大人扱いをしようと。

娘はセミフォーマルのワンピースに少しヒールのある靴を履いて、家人はスリーピース。

予約を入れて、家人はワイン、娘はオレンジかグレープフルーツジュースの炭酸割りで乾杯。

私たち夫婦からの贈り物は18金製のチェーン付き誕生石のペンダントとピンキーリングです。結構喜んでくれました。

フルコースのマナーも学べて良かったよね、と家人は自画自賛してました。我ながら良いバースデープレゼントだったなと。


で、先日長女以外の二人の娘と家でお茶をした時(長女は新幹線を使っても片道二時間半以上かかる所に住んでいます)。娘たちから、

「中学生までで良かったよ。あれ。高校生になってもしていたら援交と間違えられてたと思う。」

と言われてびっくりしました。

そんなこと、思いもよりませんでしたから。

家人の顔(悪人顔)のせいではない?え、それもあるの?

うーむ。

さて、家人に言って良いものでしょうか?













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