悪人顔の友人たち
私の友人(男性)の中には、所謂「悪人顔」の人が何人かいます。
例えば。
友人のSさんとYさんIさんはとても優しい人たちですが。
Sさんはガッシリ体型で一時期、目を病んで濃いサングラスをかけていました。で、「気取ってるだろう」と悦に入って口髭を生やしてました。似合ってなかったけれど。
Yさんは178センチ90キロ越えで、その頃はなぜかスキンヘッド。
Iさんは中肉中背ですが仕事で目の下に斜めの深くて長い傷をつけてしまい、その痕が残っていました(今も薄く残っています)。
その三人がファミレスで共通の趣味であるクラシック音楽の話に夢中になっていました。そこへ、
「コーヒーのおかわりはいかがですか?」
ウェイトレスさんの声に話を邪魔されて少し不機嫌な顔になった三人が同時に振り向いたところ、
「し、失礼しました!」
と言って逃げてしまい、その後どんなに呼んでもウェイター(というか店長)しか来なかった、とか。
又、Eさんはくせっ毛でくるくるの天然パーマです。
割と細身で背も高く、少林寺拳法と空手の有段者でもあります。趣味はトロンボーン。黒い皮のジャケットが良く似合っていて本人も気に入って着ていました。
でも。夜とか夕方に楽器のケースを下げて歩いていると何故か警官から職質を受けることが多いんだよと首を傾げていました。
ええと、顔がね、ちょっと鋭い感じで恐そうなんだよとは言えませんでした。流石に。
その数年後に彼は結婚して、少し肉がついて(顔にも)。そうしたら職質をあまり受けなくなったそうです。良かったね。
前回(第34部Hさんのこと)書いたHさんは本当にヤ○ザ顔で、昔繁華街を歩いているとその筋の人が道を譲り、頭を下げたという逸話の持ち主です。
でもその時一緒だった家人に「ご苦労さん」と声をかけたと聞いた時に初めて。
家人もそんな顔なんだなと気がつきました。
私、そういう顔が好みだったのかしら?
だとしたら趣味が悪いですよねぇ。
これは誰にも言ったことはなかったことでした。
先日、旧くからの友人たちと久しぶりに会ってお茶している時にふと口に出しました。
「私って恐い顔の男性が好きなのかな?趣味悪いよね?」
すると。友人たちは口々に
「本当に気づいてなかったの?」
「なんであんな恐そうな人と平気で話せるか尋ねたかったのよねー」
「U(その場にいなかった旧友)が熊猫はどうしてああいうタイプが好きなんだろう。理解出来ないって言ってた。学生の頃。」
「あんたって本当に鈍いわよね。でもさ、自分のことにまで鈍いなんて。」
旧友たちの遠慮のカケラも無い言葉の嵐は、結構ダメージが大きかったです。