民話と伝説
民話や伝説は…好きと言えば好き、ですが…
怖い話は苦手なんです。それで好きと言えるかどうか。
でも大丈夫な話も結構あって、好きな話はすごく気に入っていたりします(当たり前ですね)。
ドイツ民話の「ウサギとハリネズミ」なんかは、ウサギがハリネズミに騙される話ですが、同じ名前のボードゲームを家族中で好きだった為、親近感があったりします。ウサギはかわいそうなのですが。
反対に「瓜子姫とあまのじゃく」は全く駄目です。救いが無くて。
日本のあちこちにある「人柱伝説」でも好きなものと受け付けないものとがあります。線引きがどこにあるのかは自分でも謎です。
どちらかというと民話の方が好きだと思います。
伝説の方が悲劇が多い気がして(私見です)。
民話は、「昔々あるところに…」で始まります。
場所(や人)が指定されていないのが民話。
「どこそこの何というところに…」と土地と結びついているのが伝説だそうです。又は人名がはっきりしているもの。
松谷みよ子さんが著書の中で
「民話の『昔々』は時期ははっきりしないけれど、確かに昔にあったこととして語られている。」
というようなことを書いていらっしゃいました。
民話を読む時に感じる、人の体温や息遣いは多分そんなところからきているのでしょう。
こうであったら良いのに、なって欲しい。またはああなってはならない、なってくれるな。
人の、子どもに対する願いが込められているようです。
伝説は警告、教訓が多い気がします。
例えば雨が降ったらこの淵に近寄るな、とか
どこの山では何をするな、とかです。
養老の瀧伝説は孝行の勧めですし。
でも、その地で生きていくなら共通認識として知っておいた方が良いものです。絶対に。
ざっくり言ってしまえば験担ぎなのですけれど。
でも守らないより守った方が良いことを代々伝えていく為に伝説はあるのだと思います。
民話は生きていく為の力がつくように、時には脅し時には笑わせ。語り手の体温を聞き手に伝えながら、
安心を与えながら人として語るもの。
民話の語り手は身内が多かったこともあるでしょう。
母親とか祖父母とか。
伝説はその地に住む人たちに誇りを持たせ、神への祈りに導くもの。そんな気がします。
あくまで私見に過ぎませんが。
どちらも次の世代の幸せを願う祈りのリレーのバトンのようだと思っています。