タンポポ
冬の、地面にペタッと張り付くように広がった葉の中心に短い茎の上で咲いているタンポポはいじらしくて見かける度に心惹かれます。
でも春を喜ぶように上へ上へと葉を大きく伸ばして、茎も高く伸びた先に咲いているタンポポはもっと好きです。
一時期陸亀を飼っていまして。九年ほど世話しました。
草食の彼の好物がタンポポでした。葉も好きでしたが花は特に大好物。
花蜜の甘さとか香りのせいだと思いますが。
十姉妹も文鳥もタンポポ好きでしたから。
(ちなみに彼は十年目になる頃に死亡しました。)
タンポポの花の天ぷらは甘いその香りが癖にもなるから私は二つくらいしか食べられません。
でも葉の天ぷらは軽い苦味がアクセントになって。サラダにするより好きです。
一緒に摘んだヨモギの若葉も天ぷらにします。
タンポポが群生している満開の野原はタンポポの甘い香りでいっぱいになります。
子どもの頃にはそんな場所が沢山ありました。身長も低かったから余計匂ったのでしょう。
数年前に今の住まいに引っ越した当時。今はアパートが建ってしまった近くの空き地に白いタンポポがいっぱい咲いていて、それは綺麗でした。
ほんの二、三年の間の楽しみでしたけれど。
私、春は桜よりどちらかというと菜の花とかタンポポとかスミレとかの草花の方が好きなんです。