バレンタインデーで思い出す
今はもう縁が無いイベントですが。
バレンタインデーの思い出は数々あります。
いえ、本当に色々大変だったんです。
手作りチョコって、単に市販の製菓用チョコを溶かして味つけして(又はそのまま)、固め直せば出来ます。
普通のチョコを作る分には比較的簡単なのです。
それなのに
中学生の時「レシピが知りたい」と言った友人に
「くれぐれも湯煎で溶かしてね」
念を押して湯煎の図も描いたレシピを渡したのにその翌日
「チョコが焦げた(直火で溶かしたせい)」
と文句を言われたり(私は悪くないぞ)。
また、
「○*先輩にあげたいの。だからあんた作って。」
と三人の友人に言われて材料費を渡されたことも。
それでチョコチップクッキーとココアクッキーとブラウニーを作って包装も別々にした(渡す相手が同じ学校の生徒です。外見ともども同じ物を渡すわけにはいきません。)のは結構大変でした。
お菓子作るのは苦にしませんが私はラッピングが苦手なので。三通り考えるのは骨でした。
高校一、二年生の時は先輩の手伝い。
科学部にチョコレート作りの講習会をする先輩(男子)がいまして。会員は十人くらいでしたけど。
材料は各自持ち寄りだったんですが、とにかく先輩の手際が良いのと、
「こうすると綺麗に見える」とか
「この、いかにも女の子が作ったという感じが男子には受けるよ」
とかの先輩のアドバイスが好評でした。
そして簡単に出来るラッピングのセンスも良くて。随分勉強になりました。
私自身はずっと友チョコ、義理チョコオンリー。
安いチョコをばら撒くだけでしたけれど。
実家はパンと菓子の小売店だったので、少し古くなった売れ残りの駄菓子チョコとか板チョコとかはただで貰えました(だから友人から材料費を貰うとクッキーとかケーキとかを作るわけです)。
一度だけ(結果的には二度になった)
サークルの先輩に拝み倒されて特製の義理チョコを作りました。無茶苦茶チョコが好きな人で。
「一度分厚くて大きいチョコが食べたいんだ頼む」
そう言われまして。
ハーシーの板チョコ四枚だったか五枚だったかを溶かして父が使っていたアルミのお弁当箱で固めたものを渡しました。厚みはおよそ二センチ半。
半ば嫌がらせでしたが、大喜びされました。
えっ?と作った私が驚くくらいには。
先輩がそれにかぶりついていた時に同じサークル員の女性の友人Oがサークルの部屋に入って来て、先輩のチョコを見るなり
「あー!いいなあ!先輩、少しくださいよ」
と言ったのに又驚きました。しかも先輩ったら
「これは俺が熊猫に頼んだの。欲しかったらお前も熊猫に頼め」って。
Oの懇願に負けてもう一度作りました。
作るだけで胸やけするようなシロモノなのに。
今は九州にいる先輩はともかく。Oに会う度に今でも
「あのチョコ美味しかった」
と言われます。いや、もう作りたくありません。
手土産のチョコの詰め合わせで勘弁して。お願い。