私のなりたいもの
小学生の頃からずっと憧れていた私のなりたいもの。
それは「物静かで上品なおばあさん」です。
図書館で何冊か借りた中にあった本で、題名も、それ以外の内容も覚えていないのですが、ある物語に出てきたキャラクターです。
灰色のドレス、黒のレースの肩掛けが似合う白髪のおばあさん。主人公の言うことを編み物とか裁縫をしながら聞いて助言をするみたいな。(すごくうろ覚えです。)
丁度同じ時期に年老いた夫婦を描いた
「金の糸に銀の糸(金髪に白髪が混じっている様子)」という歌を知って気に入ったことも影響したと思います。
苦手だった編み物を始めるくらいには真剣でした。
中学生の時も、高校生の時も。それ以降のどんなときも。娘たちが成人した時も。
私の憧れ。なりたいものの話をすると大笑いされました。ある友人にはお腹を抱えられ(でも机を叩いたNはやり過ぎだと思う)、自分の娘には涙まで流され(あんまりだ)。
曰く。
「絶対無理!」
「いっそ生まれ変わったら?」
「明るくて、面白いおばあさんにならなれるだろうけど」
「相談はされるだろうけど、斜め45度のこと言いそう」
「肩掛けをくすぐったがるよ、きっと」
「肩掛けでくしゃみがとまらないとか」
ひどい。
でも、いつかなってみせるもん。
とりあえず灰色のワンピースは用意してあります。
肩掛けは …。 いつか自分で編むつもりです。
うん。いつか、きっと。