愛の飛翔
融けた蝋燭 桃色に咲いた
炎の蜜 銀色の匙を照らすの
愛しているなんて言わないけれど
この身体に触れる君の手は柔らかに
嘘も真も掻き回して満たす
嗚呼、透明な硝子窓に
伝う滴が誰の雨かなんて
嗚呼、純白の厚い羽で
抱いた貴方は酷く幼いままで
世界は闇に包まれる
紅い口紅 煉獄を飾る
宴の狂 銀色の匙を舐めるの
哀しいからなんて言わないけれど
この心をつかむ君の手は強くて
厭う天使に復讐しに行くの
嗚呼、枯草が刺さる網に
鍵を掛けたは誰の声かなんて
嗚呼、憎しみが裂いた花を
拾う貴方は酷く幼いままに
世界は闇に包まれる
銀色の匙がすくう紅
蝶は空へ飛び立ったの 笑みを残して