表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
城砦建築の召喚術師  作者: 狸鈴
前章 レガシー編
7/55

大魔王たぬき事件 4

3/9改稿しました

 「全軍!突撃だー!」


 相手が突撃して来るが、此方の呼びかけに対して10数人が軍から離れるのが見える。こちらが潜入させていた『スパイ』も無事脱出出来たようだ。


相手は愚直に一直線に向かってくる。いきなり全軍突撃とか脳筋すぎるだろうと思うが、たぬ騎士の装備が『餌』として機能しすぎてしまったのかも知れないなぁと反省する。


 スパイに流して貰った情報は二つ。まず此方の戦力がたぬ騎士500、プレイヤー100であるという事。そして『防衛の準備を始めている』という事である。プレイヤーを出すと伝えることで総力戦だというイメージをもたせたのだ。


 相手の作戦にも穴はあった。相手は略奪をするというのが目的である。つまり戦闘させなければ良いのだ。


 こういう欲をもった相手に効くのが『空城計』だ。警戒して入ってこなくてもこちらに被害はなく、入ってきたらドカン。こっちは雲隠れ。流石に戦費で商人の首は回らなくなるだろう。


こんな辺境の城砦一つ、大金を使って手に入れても使い道はないのだし、装備が手に入らず全滅した一般プレイヤーからの求心力もなくなるだろう。アイテムを使った二虎競食の計も十二分に効果があると思う。


 でも今私達がやっているのは『ゲーム』だ。相手が正面からくるのなら、こちらも正面から相手の策をぶち壊すまでである。だからこそ『防衛が決定した』という情報を流して、相手には『後は攻めるだけだ』と思わせたのだ。



 今回の戦闘の勝利条件は二つ。敵指揮官の確保および敵全軍の壊滅。


 敗北条件は一つ。こちらの勢力のだれか一人でも死亡させられる事、だ。



 正面を切って戦った場合、敗北条件はどう頑張っても達成不可能だった。だがある事をたぬ騎士達に『お願い』する事で解決出来たのである。





 軍を離れた人達がある程度離れた事を確認し、敵軍に呼びかける。


 「貴行らの意思は分かった!だが我々とて引く事は出来ない!戦闘準備!!」


 頑張れたぬ騎士達!




 『バ ハ ム ー ト 召 喚!!』



 空がいきなり暗くなり、雲の黒い裂け目から召喚モンスターが降りてくる。


 バハムートのイメージはドラゴンというより飛竜に近いかもしれない。しかし全長40メートルのその巨体は王者の貫禄を持っていた。


 本来バハムートはダンジョンの奥底で最強のプレイヤーが120人くらい集まって倒すレイドボスだ。その為使役する側にもプレッシャーは半端ないものがあるが、これを使役するために無理を言って装備を借り、ステータスを限度まで装備でブーストしていたのだ。


 黒いバハムートが私の前まで来て背を向け浮いている。私と城砦を守っているような形だ。敵軍はあまりの出来事に停止していた。


 今のうちに準備を進めておこうと思う。このバハムートは黒いごてごてしたものが一杯ついている、見た目かっこいいやつだ。機能性はたぶんない。その背中の一本に触れ、呪文を唱える。



 『狂化(バーサーカー)



 私は私の怒りを呪文に乗せてバハムートに付与した。黒かったバハムートの装甲が展開し部分部分が赤く光る。後姿もめっちゃ怖いので前はもっと大変な事になっているだろう。こんなのを倒せたプレイヤーに脱帽である。


 さて、準備は終わったのでそろそろ行こう。


「す、姿に惑わされるな!1500人も居ればかならず勝てる!突…」


 「やっちゃえ!バーサーカー!」


 違う、バハムートだ。


 「-------------------------!!!!!」


 怒ったバハムートの天を割る声鳴き咆哮によって蹂躙が始まった。




 敵は飛ぶ飛ぶ『味方』も飛ぶ。たぬ騎士さん達のお仕事は『バハムートの攻撃から城砦とその周り』を守る事だったのだ!


 本来バハムートはダンジョンの奥底の堅牢な住処で戦うモンスターである。こんなに柔らかい地上では、引っかき攻撃や尻尾の攻撃でも範囲攻撃となって環境を破壊する。飛ばされた木石は各地にクレーターを作るだろう。ブレス攻撃が逸れたら街が壊滅するのは間違いない。


 なので事前に各地にたぬ騎士を配置しておき、流れ弾を止める盾になってもらっていた。その為本陣には500の兵力しか裂けなかったのだ。ちゃんと全力のブレスすら一発は問題なく耐える装備にしてあるので、虐待にはあたらないと思う。


 これは着弾予測地点などを一瞬で伝える事ができる召喚モンスターじゃないと出来ない仕事だ、あくまでもやむ終えない犠牲だから仕方が無い。


 余波でたぬ騎士達の装備でも吹っ飛ぶような攻撃を直接くらって只で済むわけはない。すごい数が物理的に飛んでいく。みろー、ひとがごみのようだー!


 五分経ってそろそろ終わるかと思っていたら敵指揮官達が城門の下にきた。逃げない限り倒さない様にと伝えていたので、ここまで来られたのだろう。ははは、どこへいこうというのかね。


 「くそ!化け物め!しかしこの位置なら城砦も一緒に攻撃することになる!攻撃できまい!強すぎる事が仇になったな!」


 たぬ騎士達に『止める必要はない』と指令をだし、ハバムートには全力攻撃を指揮官に当たらない様に撃ってもらった。ブレスというよりレーザーだ。何人か溶けて城壁に着弾するが、城壁は凹んだだけである。この『私』が趣味でつくった城壁が、レイドボスの全力攻撃であっても一撃で壊される道理は無い。でも傷を付けられるのは嫌なのだ!


 相手の対策は潰した。後は特攻か降伏くらいしか残っていないだろう。


 「そ、そこに居るのだろう!交渉の用意がある!共に手を取り合おうじゃないか!」


 交渉とか今更一体何をいっているんだろうか。取り合う必要がないので聞こえているか分からないが、「手遅れ☆ミ」と精一杯可愛く言ってピースからのギルティサインを出す。


 次の瞬間バハムートが指揮官に齧りついた。





 あ、食べちゃった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ