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城砦建築の召喚術師  作者: 狸鈴
前章 レガシー編
1/55

ポーション事件 1

 初投稿です。思いつくままに書いているのですが、コンゴトモヨロシクお願いします。

 ブックマークや評価等をいただければ励みになるのでよければ清き一票をよろしくお願いします。


3/16改稿しました


 時は二月。私はVRMMO『レガシー』のサーバーオープンを今か今かと待っていた。いや、待っているのは私だけでは無いだろう。全てのゲーマーはこの一年間生殺しをされてきたといっても過言ではないのだ。


 前身であったVRMMO『レジェンド』はとある事件で運営を凍結されてしまっていた。比類するVRゲームは存在せず、後継作の製作が全てのゲーマーに望まれていた中で、ゲーム会社『ファーウェル』が『レジェンド』の引き継ぎに名乗りをあげる。そして今回ようやくVRMMO『レガシー』が完成しクローズドβテストを終え、正式オープンと相成った訳だ。


『レジェンド』でわざとではないとはいえ、色々やらかしていた私は今回キャラクター名を変更するつもりであった。今までは本名そのままで『アイ』と名乗って居たのだが、少々有名になってしまった為に名を『アイン』に変えた。


 知り合いにも説明しやすく、ドイツ語でeine(数字の1)の意味でもあるので連想もされにくいと考えたからだ。



 サーバーオープンの時間が来たので事前に作っていたキャラクターのメイキングデータを利用し私は即ログインする。チュートリアルを終わらせた後、がむしゃらにソロでのレベル上げに没頭した。


 普通のMMOでは余程の後期にならない限り、パーティーで狩りをした方が効率が高い。ましてやオープン直後は同レベル帯のキャラクターしかおらず、最も交流が盛んな時期だ。この時期に色々なパーティーに入り知り合いを増やしておくと言うのは、今後のMMO人生を左右する重要なファクターであると言えるだろう。だが私はソロを貫き通していた。


 別に重度の人見知りだったという訳ではない。もともと前作の『レジェンド』をしようとしていたのも、サブ職と言えるクラフターで色々な物を作りたかったからである。レゴゲーにかなり嵌っていた時期があり、そこで仲良くなった知り合いと色々自慢しあう予定であったのだ。ちなみに私は大規模建築派だった。


 なので私は変に人脈やしがらみを作りたくなかった訳なのである。やりたい事が違うのだから話が合うわけがない。勿論同じ目的の人間も居るだろうが私の作りたい物は大規模建築なので、近くに同じ目的の人がいたら領土争いが起きるのは間違いない。



 そういう背景もあり数日後Lv20になって全クラフターの初期条件を開放し習得した段階で、他のプレイヤーが来そうにも無い辺境に引きこもった。山も川も海もある最高の地形であったのだが近くに街もなく、街道もなく、人も居ないという絶好の引き篭もり地形だった。何も無い場所に歩きで6時間かけて来ようとする物好きは居ないだろう。


 もちろんゲームなので魔物もいる。が所詮Lv20のソロで行けるエリアの辺境なので敵のLvも10台がほとんど。食料についても自然の恵みが沢山あるので問題なかった。



 場所を決めてまず試した事は召喚魔法だ。何も指標が無いと前作での黒歴史の再来になる可能性があるので、今回は道具屋でHow-to本を買っておいた。街の近くで練習すらしていない事にトラウマの深さが伺える。


 どうやら召喚魔法を使うためには具体的にイメージを固めないといけない様だった。イメージし易い動物となると『クマ』か『タヌキ』の2択だ、ぬいぐるみを何度も自作した位なのでイメージを固める事はできる。次点はペンギンだが山の中にペンギンを召喚してもイジメにしかならないだろうと却下する。


『クマ』は制御に失敗すると止められる自信はない。返り血がこびり付いて赤くなった、あのファンシーなクマさんをイメージしてしまったら目も当てられない。……数体ぬいぐるみも持っているのは勿論お約束である。


 消去法でタヌキオンリーとなったので、可愛いタヌキ……可愛いタヌキ……とイメージして召喚魔法を発動させる。ライトエフェクトが目の前で起こり、システムアナウンスが聞こえてくる。どうやら召喚に成功したようだ。


『たぬ騎士の召喚に成功しました』


 召喚陣から2足歩行の剣を携えたタヌキが出てきた。リアルタヌキだ。鎧はない。


 良く狸の尻尾には茶色と黒色のシマシマがあると思われているがそれはアライグマだ。差が分からないと良く言われるがアライグマは熊の仲間なので大人になると人には基本的になつかないが、タヌキはイヌ科なので簡単になつく。またタヌキには肉球があるのだから可愛さでは圧倒的な勝利だ。


『キュッ!』と鳴いて一礼してきた。可愛すぎるので思わず抱き締めてしまった、毛艶のよいモフモフだ。


 このまま撫で回して愛でていたいが、流石にただの森では何も作業が出来ないので拠点を作っていこうと思う。石造りの城なんて高望みはしないにしても、大量にある木でログハウスくらいなら建てられるだろうなんて考えている人は甘い、甘過ぎる。


 まず武器が剣しかない。斧もノコギリもなくどうやって伐採しろというのか。ましてや伐採出来ても乾かしたりもしないといけないので建材にするのにも時間がかかるのだ。


 なので最初の拠点は洞穴である。たぬ騎士と一緒に木の枝を加工したシャベルの様なもので穴を掘るが、掘った土はアイテムになるので書き出す手間は必要ない。また落盤の危険性も無いので好きに改築出来るのも強みだろう。


 かなりの石や土、石炭等も手に入ったので拠点の内部に作業場を作っていく。作業に必要な物の最低レベルのツールはアイテムさえあれば、クラフター適正が最低でも作れるのだ。


 こっちは問題無さそうだが、たぬ騎士には一人で倉庫を掘ってもらっている。流石に一人はかわいそうだと思うので、この作業がおわったら召喚最大数までたぬ騎士を召喚して上げようと決めた。


 結局今の最大数は四体だったようで、たぬ騎士四人に作業を手伝って貰った。工兵だって騎士の大切な仕事だ、脳筋だけでは戦争には勝てないのだ。


 2ヶ月経つと洞穴から木の家、石の家、レンガの家と棲家もどんどんグレードアップ。たぬ騎士の数も50体を超え、それなりの範囲を豊富な木材で囲んだ事で小さいが砦を形成するようになっていた。全く戦う相手がいないが様式美である。たぬ騎士主導での農業や鉱山資源等の開発も進み、作った装備等の保管の為に倉庫や柵の増改築を繰り返すほど順調だった。





 そして半年が経ち砦が鋼鉄で補強され終わった頃、人知れずレガシー世界の混乱が始まっていた。 


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