過去から現在まで③
《若い娘が、そんな、セーラー服で立ち回るんじゃねぇ!》
【立ち回りたくて、立ち回ってるんじゃないんですけど・・・
そんなことより、こいつ、捕まえているの、早く代わってくれませんか?
暴れるから、疲れてきました。】
《あ、あぁ・・・》
「もうすぐ、おまわりさん来るってさぁ」
【そっかぁ。
あ、角のばあちゃんは、怪我してない?大丈夫だった?】
「幸い、ひったくられた時に、荷物離したから、転ばずに済んで、怪我も無いよ。」
【そっかぁ、よかったぁ。
ばあちゃんが、この馬鹿オトコのせいで怪我なんかしてたら、
私、絶対、許さないし。】
あまりにむかついたので、引ったくりの馬鹿オトコの頭をカバンで殴ってやった。
《おいおい、殴っちまうと、正当防衛の範囲には入らねぇから、やめとけ。》
【え~、おにーさんが黙っておけばわからないって。
みんな、地元の知り合いだし、誰もそんなこと言わないもんねぇw】
程なくして、交番のあんちゃんが到着した。
「やっぱ、月ちゃんか・・・」
【やっぱってなに!!やっぱってさぁ!】
「こういうのがあると、必ず月ちゃんが遭遇すること多いよね。」
【なんかねぇ、出会っちゃうんだよね。あはははは・・・】
「協力はありがたいんだけどさ、女の子だから、無茶しないで、
警察にすぐ連絡してくれよ。」
《おい・・・俺のこと忘れてねぇか?》
【あ、ごめん、ごめん。
このおにーさんが、ひったくり犯を押さえてくれてるんだ。】
「ご協力感謝いたします!!」
《いや、ご協力っつーか、こういうモンです・・・》
そう言うと、おにーさんは、黒い手帳のようなものを見せた。