配属される⑧
で、まぁ、稽古場に行ったわけですが、
剣道でしょうか?それとも、柔道でしょうか?
まさかの合気道でしょうか?
な~んて、考えていたら、ボソリと、
《古武道。》
って、ちょっ、桐沢警部!!冗談きついって!
そもそも、桐沢警部の実力を知らない私。
午前中だって、結局、剣道と柔道に、忠信にいさんとの手合わせしかしていない。
大体、古武道の経験者なのかどうかもわからない。
それなのに、手合わせ?やって大丈夫なの?
そんな思考を読んだのか、
《考えてねえで、とっとと来い!!》
なんて言うものだから、もう、どうとでもなれ!ってことで、手合わせしました。
・・・。
この人・・・強い・・・それもちょっとかじったとかじゃなく、
長年やってきている経験者だ。
油断していると、やられる!!
《どーだ?わかったか?
手加減なんかしてっと、すぐに足元をすくわれる。》
【ええ、桐沢警部相手に、手加減の必要性はまったく感じませんね。】
《俺相手だけじゃねえ。
あいつらだって、すぐに、手加減の必要性なんか、感じない位になるぞ。》
【そりゃそうでしょうね。
今日のは、明らかに油断してましたしね。
それよりも、桐沢警部は、どこで、古武道を?】
《ふっ・・・んなもん、秘密だ。
おら、コレで終わりだ。帰んぞ。》
【教えてくれたっていいじゃないですか!】
手をヒラヒラさせながら、歩いていく桐沢は、
《のの・・・昔のこと、早く思い出せよ・・・》
と、聞こえないように呟いていた・・・。