配属される④
わかった、まともじゃないなら、相手にするのは後回し。
とりあえず、上司に挨拶するのが先だ、先!
で、特命二課の課長さんは、話からすると桐沢警部ってことらしいが、どこに?
席には、いらっしゃらないようだけどなぁ・・・
『おい!俺のことは無視するんか?!』
【あぁ、すいません。
上司への挨拶が先だと思ったもので。】
『・・・ところで、あんた誰・・・』
『そうだ、おまえは誰だ。
不審者ならば、出て行ってもらおうか。』
そんなやり取りをしていると、衝立の奥から、ボソリと声がした。
《あ~、おまえらわりぃな。
今日から、新人が入るっつーの連絡し忘れてた。》
『ボス・・・、そういう連絡は、忘れないで下さい。』
《わりぃ、わりぃ。
で、俺のデスクの上にある、あの山は何だ?》
『いや、そんなんより、これこれ!!』
おい、ソコの関西人、私を指差すな・・・
まぁ、こいつは無視して、まずは、挨拶だな。
【衝立の脇から失礼します!
特命二課課長の桐沢警部でいらっしゃいますね。
本日よりお世話になります、野々村月子巡査長であります!!
ご指導のほど、よろしくお願い致します。】
《おうよ、6年ぶりか、お嬢ちゃん。
ここで、頑張ろうな!》
ニヤリと笑った、そのオトコは、6年前のひったくり事件の時に出会った、
若いにーちゃんだった・・・。