配属される②
とりあえず、女性署員に近寄るのは、今は危険だと判断した私。
しかしながら、二課の場所がわからない。
刑事部の所属のはずだと思って、刑事部のフロア図を見るが、書いていない・・・。
どういうことだ?
ん~、まぁ、刑事部の人に聞くのが一番早いよなと覗いてみたところ、
なんだか、奥の方に人だかりができているのと、
その手前で、苦い顔をしている人が3人。
あ、それ訂正。奥のお偉いさんも苦い顔してるから4人だ。
つーか、署内の状況を考えれば、どう考えてもあそこだよな・・・うん、たぶん。
ひとまず、確認なんかしちゃってみる?苦い顔してる3人なんかに。
【あのぉ・・・、ちょっとよろしいですか?】
「なんだ。」
【ここって、刑事部でいいんですよね?】
「そうだが?おまえも桐沢警部に用事か?」
【桐沢警部って、どなたですか?】
3人は顔を見合わせると、急にニコニコしだした。
ここまで表情を変えられると、ちょっと、気持ち悪い・・・。
「刑事部のどこに用事だ?なんなら、呼んできてやる。」
【え~っと、特命二課を探しているのですが。】
明らかに、テンション落ちまくりって顔に変わった。
そして、無言で、人だかりの場所を指差す。
【お手数おかけしてすみません。
今日から、特命二課に配属される、野々村月子です。
え~と、皆さんのお名前をうかがってもよろしいですか?】
そう言った瞬間、あれ?ちょっと、テンション戻った?
で、聞かせてもらおうとしたら、腕を引っ張られた。
『はいはい、そこまでや。
そこの3人は、1課の三馬鹿トリオって覚えておけばええで。』
【は?】
関西弁で話す、このオトコは何者?
つーか、所属が違うとはいえ、一応、先輩署員なんだし、
これからの円満な人間関係のためにご挨拶をしている途中で、
引っ張るってどういうこと?
なんだか、ものすごく、ダメなタイプかも?
って、思ってたら、そのまま、人だかりの方へ引きずられていく。
ちょっと!ちょっと!は~な~せ~!!
離して欲しく、じたばたしてみるが、離してくれそうも無い。
しからば・・・
反対側に引いてダメなら、押してみる。
ということで、引っ張られる勢いに任せて、背後から頭突きを食らわせてみた(にやり)