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my house? ~オレの家?

オレとマスケルさんは、手続きを終え一つの穴に入っていった。

地下なのにもかかわらずぜんぜん明るかった。

少し進むといくつにも分かれた道になり、その横には看板のようなものがたっていて、そこには読めない字のようなものが書かれていた。何がなんだかわからなかったオレは、マスケルさんの言われるがままについて行った。

またさっきと同じように道がわかれ、どんどん穴が狭くなっていく。最初は二人くらい肩車してもぶつからないくらい高かったのに、いまは背中を丸めないと歩けないほどだった。


「さぁ着いたぞ、ここがお前と横山の宿、いや家だ。」

そう言って木の扉を開けた。

“ガラガラガラガラ”

シャッターのような造りだった。

ぱっと明るさが目に飛び込んだ。

「うわぁ・・・・・・・・家?・・・・ここに住んで良いんですか?」

ものすごく広く、したには紫と山吹色のおしゃれなカーペットが敷いてあり、天井は高く、シャンデリアが吊り下げられていた。丸い形のベットが二つ、大きなテレビ、ソファ、キッチン、生活するのに必要なものはすべてそろっていた。こんなところに住めるなんて思いもしなかった。今までの牢獄の生活が嘘のように思えた。

「あぁそうだ、なんたって金幻命人(グラント)育成学校に通うんだからな。とまるところが無かったら通えんだろう。」

「グラント育成学校?」

「オレやポスタフの持っている力を金幻命(グラン)といってな、それを使いこなすものを金幻命人と言うんだ。それを育てる学校だ。」

オレは少し考えてからこう聞いた。

「その力、金幻命はどうやって手に入れるんですか?」

何よりも聞きたいことだった。

「あぁ、まず金幻命というのは幻の力を自分の中から引きずり出し、それにちっとばかしの魂を食わせるんだ。そうして手に入れることができる。そして幻の力は人によって異なり、オレのようにケンタウロスになるものもいれば、ポスタフのようにミノタウロスになったりもする。しかし心の弱い人間は魂をすべて食われて心をなくしてしまったり、完全体に成れないまま終わってしまったりするんだ。」

難しくて頭がこんがらがりそうだがしっかりと話を聞いた。

「使いこなすには、それぞれの幻の力でできた幻生命体と心をかよわせ、一心同体となる。これをするしか他に方法は無い。」

もう頭がゴチャゴチャなオレは、いったん冷静になり、順に質問をしていくことにした。

「まず、どうやって幻の力とかいうやつを引きずり出すんですか?」

「学校に入学すればわかるんだが、新生徒は校長室に順に入って行き、その校長室の中心に置かれた水晶に手をあてると、自分の心の中に入ることができるんだ。そこで心の中の幻生命体と対話をすることによって、幻の力、いや金幻命を引きずり出すんだ。」

「わかったような、わかんないような・・・」

苦笑いでごまかした。

「さぁお前の力は何かな?楽しみで夜も眠れん!じゃあ明日学校に連れて行ってやるから今日はゆっくり休んでな。じゃあまた明日、お休み。」

「おやすみなさい。」と一言いい、扉を閉めた。それにしても面白いドアだ、こんな扉は車の家(しゃこ)くらいでしか見たことはなかった。少し眺めたあと後ろを向き、もう一度部屋を見渡した。


キラキラ輝くシャンデリア

ふかふかのカーペット

月を望むことのできる窓

黄色の石をあしらったテレビ

デザインセンスの光るPC

まん丸のベット

ふかふかの二人が寝そべれるほどの大きなソファ

半透明なテーブル

料理が作りやすそうなピカピカのキッチン

やさしい卵色の風呂場


何度見ても飽きない光景だった。

見ているだけでワクワクした。これからここで暮らすんだもんな。


“ガラガラガラ”

「よっ、ここがオレたちの部屋か、なかなかなもんじゃねえか。」

そういいながら入ってきたのは横山さんだった。包帯なども全くしていない。本当に怪我をしたのか?

「横山さん、怪我は?」

「すごいぞ!ここの医者は!何とかっていう力で怪我をする前の状態に戻してくれたんだ。感動したぞ!コレが超能力ってヤツなのか?」

“超能力”ということばがひっかかった。この世界、opposite worldの人々の力は“金幻命”なのではなかったのか?いやいや、現にオレはミノタウロスなんかもこの目で見たし、金幻命に違いない。だけどそんな事言ったって横山さんの鼻は治っている・・・

「超能力って?治してくれたのは誰だったんです?」

「人間だよ。この世界にもオレたちと同じような普通の人間もいたんだな~」

「何で人間が超能力を使っているんです?」

ソンナの聞いても答えが返ってこないのは分かっていた。

「ソンナの知らん!」

やっぱりだ。


今日はゆっくり眠るとしよう。きっと明日何か分かることがあるんだろう。

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