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break out of escape from a breaker ~ダツゴク

 今日もまた、いつものように鎖で結ばれたこの意味のない生活が始まった。

死のうにも死ねない。そんな生活。


 時は3866年、そしてここは「竜神謙晶国りゅうじんけんせいこく」。昔は「日本」と呼ばれていたらしい。昔は外国との貿易などもやっていたこの「竜神謙晶国」はいまではある一人の王様の独立国家だ。更に国旗も変わり、

「日の丸」とか言うものから、黒と白の馬が殺し合いをしているという無様なものに変えられてしまった。ちなみにこれは王様のデザインだ。そんな時代にこのオレが何故生まれてきてしまったのだろうか。親が時々にくくなる。けれどそんなことを行っている時間も今のオレにはなかった。


嶺岸劉星(みねぎしりゅうせい)。19歳。


 オレは今、この国の「牢獄」にいる。なぜかというとオレの親父が騒ぎを起こしちまったからだ。親父が騒ぎを起こしただけで、その家族も道ずれになってしまう。この法律も今の国王「セン・ペリン」が考えたものだ。


 オレの親父その時酔っ払っていた。国が運営しているシャンポル、昔で言う「警察」というヤツに、国の文句を言ってしまったんだ。

 「ふざけんな!こんな国!国王なんか死んじまえ!」と。

そのことはすぐにシャンポルから国王に伝わり親父は国王の怒りを買い、その後すぐに殺されたそしてオレ達家族は捕まった。


俺は親父を憎んではいない。どちらかというと言ってくれてスカッとしたくらいだった。


食事時間にオレに一人の男が話しかけてきた。

「おい、君」やさしそうな叔父さんだった。

「何ですか?」

「君は脱獄したいとは思わないかい?」

そう言われて自分は今、叔父さんがなんと言ったのか分かっていても反射的に聞き返してしまった。

「な、何ですって!?」

「君は脱獄する気はないのか、と言っているんだ。あ、いや、別にいやだったら良いんだが・・・。」

オレの戸惑っている顔を見て叔父さんは弱気になってしまった。

でも、オレは戸惑っていたわけではなく余りにも嬉しくて、叫ばないように抑えることだけで必死だっただけだった。

「ぜ、ぜひしたいと思っています!!で、でも脱獄なんかそんなに簡単に出来るもんじゃ・・・ないんじゃないですか?」

「方法がなけりゃオレもこんなこと聞いたりしねえよ。もう一度改めて聞く。お前さんはオレと組むか?

組んで一緒に脱獄するか?する勇気はあるか?」

たくさんの質問があったが、そんなこと聞いていなかった。答えはひとつだった。

「お願いします!」

「よし!他のやつらは王様に殺されてしまう!とかいって、逃げてたんだがな。お前、強いな!あ、そうだ自己紹介がまだだったな。オレの名前は横山惣次郎。よろしくな!」

すごく気分がよかった。自分も名前を言って、そこからオレ達二人の脱獄計画が始まった。


まさか脱獄からアンナ大きなことになるとはその時思いもしなかったんだ。


牢獄の中で計画を立てるのは思った以上に困難なものだった。


朝は四時に起床し、囚人全員で四時五分からラジオ体操第一、第二をする。

そしてそのあと歯磨きなどをして四時半から朝食。三十分後に「国際牢獄~ジャンレノ~」と言った名前のブランド品を作る仕事を始める。

このブランドは囚人が作ったものだというのに何故だか知らんが、国民に大評判のブランドだった。このブランドには机やいすからシャープペンシル、電気、車、野菜やフルーツまで、ここの物で手に入らないものはないくらい、充実している。ココまで充実しているのは家族のうち一人でも王様の機嫌を損ねることをすれば全員が捕まってしまうという法律があるからだ。

また、その仕事のあとに、十二時から三十分間の昼食をとる時間を与えられ、その後再び仕事に戻る。そして九時から三十分間の夕食を済ませ、最後に十二時の就寝時間まで再び働く。


ソンナ生活なため、計画を立てられる時間は、食事の時と就寝時間のみだった。就寝時間はただでさえ短いため少ししか使えなかった。


しかし早く脱獄したいという気持ちだけで計画はズンズン進み、ついに脱獄の日になったんだ。

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