『いゐりや』の眸の青蒼碧
あを。
黑き天鵞絨の樣、奥底深き紫のやう濃くも、かつ、炸燦々たる晰裂、まなこを射抜く眩しさが狂奔裂たる睿らかさ。
蒼。
未だ明けならぬ、世に最も清らな、明けく、透きとほりたるぶるぅふ ぶらつく。蒼古の蒼。
碧。
あかるき土耳古石のごとく、かつ、コバルト・ブルーの強きも湛え、モルフォ蝶の金属のごとき鮮やぎ、チュニジアン・ブルーの濃さ、瑠璃の昏深さ、碧き黄金の黄昏のごとく、絢爛たる哉。網膜を刺す南の海のエメラルド・ブルー、氷河の白の重なりの奥に秘められ清爽なる碧。
藍。
黑像式の壷絵のやうな、葡萄酒いろのディオニュソース。焔の影なすマイナーデス。アポロン御神の睿智。ロゴスとフュシスの華燭の式典。典範たるべき明晰判明。月に吠ゆ野獣の性。人生来の明き徳。あかく熾ゆやうゆらゆらと、裂き龍の炎爛のまなこの裂帛。爛熟に、聳うバビロン、あをき門。
紺。
昏き海溟。くろく塗り、つぶしたるかの北海の怒濤底なし。ヴィーキング、龍の御舟が波頭裂く焉。
青 蒼 碧 藍 紺 群青 紺碧 青藍 深藍。繁縟精巧精緻細密、金剛胎蔵両界曼陀羅、金剛石を五十八のBrilliantな切り籠にKIZAMI、光の折を幾へも重ね、奥行Mosaic 。
此樣にありき、眸の虹彩(瞳孔を拡げ縮める筋繊維)、色素が光を燦亂叛射。
瞳孔の水晶体の透明度たるや、三千尺の水底の細石の凹凸の一々をすらも晰々と、輪郭の區劃、屈起と尖突させる哉。最純粋なる無限透明その真空度、一切の生を燬け爛れさせ、無空すら死す真空絶空絶絶空たる純度の超絶。
睫毛たるや、あでやかな、蝶々ひらり、ひらりとゆっくり大きく煽ぐ。森厳なる山奥の白百合のおしべ、さつきのおしべのやう、長く反りて、深く翳す。天穹鏤煌、一千萬億兆華の繚亂、秋錦繍の豪奢絢爛、櫻華爛漫、飛華落葉のはらはらと波瀾萬丈。
二重瞼の弧のあざやぎがゑがくラインと、眉下のいろのカフェラテ、繊細さ堪え難きほど、微妙うつらふ、眼窩の差異の變遷。
ひふの白皙、やはらかき大理石の滑らかさ、銀嶺の雪よりまぶし、まぶたも開かぬ、神々しきほど、光り赫き。ミルクよりふかき真白のあぢはひ、うまし白。潤はしきはや、いのちの躍動血潮脈打ち、生れ初めの、夭きひふ。
黄金の髪まっすぐに、ほそくつややな、絹糸のごとし。ぷらちなBLONDE、ミルク・ブロンド、シャンパーニュ、濃き金泥のあだ眩くも、金箔のやう華やぎて、茜ににじむこがねいろ、グラデーション做す金色の螺鈿の霓は捉え得ぬまぶのいろあひ。
青い林檎のややかたい、翠酸っぱい噛み、春あさき、あはい初芽の初々し、はかなさもはらみ、細やかに繊きすじの、やはらかくも。
綺羅綺羅しき哉。眩き燦裂、女神の若し、処女なるアテナ・パルテノス、アフロディーテやアルテミス。
うつせみをいきる究竟の畢竟眞如、究窮極の眞事實、客觀之奥義、諸考概念思惟ならぬ、狂奔裂、瞬今將是。
りあるなる、いゐりや。
神々が莊儼し、無際限過去來、未来永劫讃えて止まぬ。汎全網羅不象神紋。崇高究大印璽。最至高神聖印契。永久遠の眞咒陀羅尼。眞神髓なる彝。




