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序幕②

 6月16日。午前11時04分

『特殊部隊本部』・庭にて。


 立派な屋敷の庭に、橙色(だいだいいろ)が混ざった金髪の青年・ビトリアがいた。彼は、鼻歌混じりに花の手入れを行っている。


 手入れをしている彼の共に、薄い金色の髪をした綺麗な顔立ちの青年・エイリスがやってくる。異国の王子様かのような綺麗な顔立ちに、良く映える淡い金髪。少々髪は癖毛であった。彼は、暖色のブランケットを羽織っていた。


「Vitoria était là.(ビトリア、ここにいたの)」


 エイリスの言葉を聞いたビトリアは、彼の方へと振り返り、ニッコリと笑顔を見せる。

 

「Oui. Prendre soin des fleurs fait partie de ma routine quotidienne.(はい!花の手入れは僕の日課ですから)」


 ビトリアの言葉を聞いたエイリスは「C'est exact(そうなの)」と、どうでも良い感じで呟く。だが、ビトリアは楽しそうに言葉を紡いだ。


「J'adore les roses noires. Elles m'ont attiré dès la première fois que je les ai vues.(僕は黒いバラが好きです。初めて見た時に惹かれました)」


「Cela ne m'importe pas vraiment.(ボクにはどうでも良い話だ)」


 エイリスはバッサリ切り捨てると、(きびす)を返そうとする。


「Je suis venu ici parce que je m'ennuyais du livre que je lisais pour pratiquer mon japonais, mais cela ne m'aide pas à éviter l'ennui.(日本語の練習のために読んでいた本に飽きて、ここへ来たのに退屈しのぎにもならない)」


 そう吐き捨てたエイリスは、ビトリアを無視して庭を後にした。


   ーーーーーーーーーー


 庭を後にし、室内へと入ってきたエイリスを出迎えたのは、少し長い灰色の髪をした青年・イオだった。華奢な体格に女性と見間違うような綺麗な顔立ち。瞳と髪と同じ灰色のカーディガンを羽織っていた。


「おや、エイリス。庭に行ったのですか?珍しいですね」


 イオの言葉を聞いたエイリスは、嫌そうな顔を彼に向けながら「何?なんか文句?」と、悪態をつく。イオは優しく微笑みながら言葉を紡いだ。


「いいや、違いますよ。ただ、珍しいこともあるのかと、思ってしまいましてね」


 そっぽを向いて黙ってしまうエイリス。イオは「ふふ」と、微笑む。だが、何か思い出したのか、ポツリと呟き始めた。 


「そう言えば、新しい『監視役さん』が来るそうですよ。明日から」


「……どうでも良い」


 吐き捨てたエイリスは、その場を去っていった。


    ーーーーーーーーーー


 6月16日。午前11時45分。

大衆食堂にて。


 お昼時で賑わっている食堂。その一角、類とその親友が食事をしていた。


「監視役就任、おめでとう。類!」


「そんな……大したことないよ」


 親友の祝福に謙遜する類。そんな彼を見た親友は、大きなため息をついてしまう。


「全く……お前は、本当に昔から謙遜ばかりするよな」


「だって……大したことじゃないし……」


「いや、大したことだろ」


 類の言葉に、親友は突っ込みをいれる。


「新米の軍人が監視役に任命……しかも、『化け物揃いの特殊部隊の監視役』って……お前、すごいんだぞ? それほど上に気に入られている。もしくは、期待されてんだぞ。大したこと以上だわ」


「そ、そうかな……」


「そうだとも!だから、謙遜はするな。すごいことだから」


 親友の言葉に「分かった。ありがとう」と、類は素直にお礼をした。


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