⑥ バトルなら大歓迎
「…それで、誰をやっつければイイのかしら?」
カグヤ・ヒミコは、長らしき5名の内の一人に尋ねた。
「実は、我々5つのクニの武力を合わせても、追い返すのが、ギリギリな強国の王に、悩まされているのです。」
「了解。それは、どこの誰?」
「南の狗奴国のミクコ王という者です。」
「じゃあ、この私が、そいつを黙らせてあげるわ。次に襲って来たら、すぐに教えて。それから、何処かに私の寝泊まりできる場所を、確保して下さるかしら?」
「お安い御用です。」
5名の長の指示で、村人たちが一致団結して、鳥居のあった場所に、突貫工事で高床式の神殿を、夕暮れ前に作り上げてしまった。
カグヤ・ヒミコは、流石に驚いた。
てっきり、何処かの金持ちの家の大きめの部屋を、間借りさせて貰えるものかと、思っていたからだ。
「中に寝床も貢ぎ物も、ご用意してございます。ヒミコ様、どうぞここでお寛ぎ下さい。」
5名の長にそう言われて、些か恐縮しながらカグヤ・ヒミコは室内に入った。
中には十代前半の、可愛らしい少女が控えていて、こう言った。
「ご用意とあれば、何なりとこのイヨに、お申しつけ下さい。」
「ありがとう。、イヨとやら。取り敢えず安んでイイわよ。」
「はっ。ヒミコ様の仰せのままに。」
そう言うと、少女はその場に平伏した。
「もう、硬いなあ。」
少女の頭を撫でながら、カグヤ・ヒミコは思わず呟いた。
「コッチにいらっしゃい。一緒に寝ましょう。」
「いえ、私は、そのような恐れ多いことは…。」
「…では、命令よ。私の隣で添い寝しなさい!」
彼女にそう言われて、イヨはおずおずと寝具の中に入って来た。
カグヤ・ヒミコは、彼女を腕の中に抱くと、そのまま本当に寝てしまった。
翌朝、イヨは先に起きて、簡単な朝食の準備をしていた。
「ヒミコ様、朝食の支度が出来ました。」
カグヤ・ヒミコは、ボディバッグの中に簡易食を準備していたが、せっかくだからいただく事にした。
そ
朝の献立は雑穀の粥に、川魚を焼いた物、それに野草のお浸しだった。この時代のご馳走なのだろう。
味は素朴なモノで悪く無かった。
コレはコレで、ヘルシーな感じがして好ましい。
「ご馳走様。どうもありがとう。美味しかったわ。アナタは?食べないの?」
「私は…後でいただきます。」
「じゃあ、命令ね。今後は、私と一緒に食べること!」
「…そんな。恐れ多いです。」
「もう。二言目にはそれね。お毒味だと思えばイイでしょ?」
「…はあ。」




