③ 彼のプロフィール
カグヤの父が、船内で最年長の元国王から、教えていただいた話はこうだった。
我々の惑星ニビルを、太陽系からケプラー星系に瞬間移動させた張本人は、ニビルと同じ公転軌道上の、太陽を挟んで正反対の位置に存在している、惑星ガイアの出身なのだそうな。
しかし、我々の科学力を持ってすれば、ニビルのポータルを利用して、いつでもそこに行く事は可能らしい。
ニビルの爬虫類族さえ問題無ければ、直ぐにでも行きたい。とカグヤは思った。
と、同時に、アレ?それって、私がついさっきまで居た惑星じゃない?とも思った。
ああ、でも時代が違うのか?そこは気をつけて、ポータルを調整しなくちゃだわ。とも考えたのだった。
そんな事を色々考えているうちに、あっと言う間に数日が過ぎ、船は無事に、居住区に最寄りの宇宙港に、到着した。
カグヤたち家族は自宅に戻り、まず室内を点検した。電気系統に若干のダメージが見られたが、それ以外は、ほぼ無傷だった。
カグヤはいよいよ信じられなくなった。
6✕10の24乗kgもの重量の物体を、瞬間的に300 光年先の星系に、本当に無事に移動させたんだわ。
こんなことを、生身のたった一人きりのニンゲンが、やり遂げるなんて素敵!…最早、魔法だわ。
絶対会いに行かなくては!
次に自宅周辺を探索したが、全ての環境は見事な程に元通りだった。
どうやら、爬虫類族よりも先に着いたようだった。
これなら、縄張り争いで負けたりしないだろう。
彼女たちの世界では、基本的に何事も先手必勝なのだ。そして、弱肉強食なのだ。しかし、地上の全てを奪うほど、彼女たちは貪欲ではない。程々をわきまえた民族なのだ。
そこへ行くと、爬虫類族たちは質が悪い。
彼等はどこまでも欲しがる。貪欲な民族だ。
今後も気をつけなければ…。
カグヤがそこまで考えていた時、彼女の父がこう言った。
「カグヤ、行ってきてイイぞ。」
「え?」
「逢いたいのだろう?ガイアのその人に…。」
「ホントにいいの?」
「可愛イイ子には旅をさせろだ。」
「ありがとう。お父様!」
カグヤは父に思いきり抱きついた。
「現金な娘だな。」
父はそう言うと、カグヤを抱きしめ返した。
こうして、家長たる父の許可を貰ったカグヤは、晴れてポータルを使って、太陽系第三惑星の、ガイアに行く運びとなったのだった。
彼女はまずヘアスタイルを整えた。
長く伸びた黒髪を、首の左右の下方に、丸いお団子状に纏めた。
そしてファッションは、動きやすい貫頭衣のような生成りのワンピース。
まるでそれは、機動戦士ガンダムのララァ・スンのような出で立ちだった。
何しろ、コレが、彼女にとっては、もっとも戦闘に適した服装なのだ。
彼女はすっかり、浮き浮きしていたし、ヤル気満々だった。




