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クソデカ桃太郎

作者: ぬるで

むかしむかし、あるところに、クソデカいおじいさんとクソデカいおばあさんがメチャクチャ住んでおりました。

毎日、おじいさんはエベレスト級の山へ芝刈りに、おばあさんはナイル川級の川へ洗濯に出かけました。


ある日、おばあさんが川でハチャメチャに洗濯をしていると、上流から象くらいある桃が、ドンブラコドンブラコと、轟音を立てて流れてきました。

「おやおや、これはみごとな桃だこと。おじいさんへのお土産に、どれどれ、うちへ持って帰りましょう。」

おばあさんはそう言いながら、エグすぎる腕力で桃を川から引き上げました。重さは軽く二三千トンはあったでしょうが、お婆さんの握力はそれを超えていました。山のような洗濯物と一緒に信じられないくらいデカいタライの中に入れて、クソデカい家へ秒で帰りました。


家に帰ったおじいさんとおばあさんは、そのクソデカい桃を割ろうとしました。お爺さんは刃の終わりが見えないほどデカい鉈を手に持つと、とち狂ったパワーで振り下ろし、桃はバキィーンと割れました。

鉈をはじき返して中から出てきたのは、爆裂デカい赤ん坊でした。身長はすでに三十丈(約90メートル)、体重は牛千頭分くらいありました。

「おお、これは天からマジで授かったクソデカい赤子じゃ!」

二人は気が狂ったように喜び、その子に「桃太郎」と名付けました。


桃太郎はクソデカく育ちました。

毎日クソデカい釜で炊いた米二三千俵分食べ、飲み水は近隣の湖を丸ごと干上がらせるほど。

桃太郎は一万と十五歳になりました。

もうその時分には、銀河系で桃太郎ほど強い者はないようになりました。

ある日、桃太郎は言いました。

「おじいさん、おばあさん、私は鬼ヶ島の超巨大鬼を征伐に行こうと思います」

そこで、おじいさんとおばあさんは、庭の真ん中にびっくりするくらい大きな臼を持ち出して、大岩のようなきび団子を作って差し出しました。


道すがら、桃太郎は思わず目を疑うくらいデカい犬に出会いました。

犬が「きび団子を一つ下さい、お供しましょう。」と鼓膜破壊レベルの音量で言うので、桃太郎は大岩のような団子を一つやると、犬は団子を一口で平らげ、ワンと鳴いて大蛇のような尻尾を振って従いました。

次にゴジラ並みの猿が現れ、「きび団子を一つ下さい、お供しましょう。」と言うので、同じく一つやりました。

さらに昼の空を真っ暗にするほどデカい雉が、「きび団子を一つ下さい、お供しましょう。」と亜音速で飛んできたので、これまた分け与えました。


一行は大陸のような大きさの船に乗り、海が割れるほどの波を立てながらクソデカ鬼ヶ島へ向かいました。

果てが見えないほどマジでめっちゃデカい島に着くと、そこにはクソデカい鬼が六千万ほどズラッと待ち構えておりました。

身一つで山脈くらいある鬼が、「おう、おう」と叫び、東京タワーより長い金棒を振り回しながら向かってきました。


けれども、体が大きいばっかりで、マジでからっきし意気地のない六千万の鬼どもは、馬鹿デカい雉のドリルのような嘴に目から脳みそまで貫かれた上に、化け物のような犬に向こう脛を喰い付かれたといっては、痛い、痛いと逃げ回り、空前絶後のサイズの猿に引っかかれたといっては、爪痕にできた谷に倒れ伏しておいおい泣き出し、金棒も何も放り出して降参してしまいました。

最後まで戦っていた最強にヤバい鬼の大将も、とうとう桃太郎に地面にめり込むくらい組み伏せられてしまいました。

桃太郎はクソデカい拳で鬼の顔面を殴りました。

その一撃は地球の内核を揺らすほどで、鬼は攻城弩にでも弾かれたように吹っ飛びました。

鬼どもは耳をつんざくような悲鳴を上げて降参し、都市くらいある宝物を差し出しました。


桃太郎はクソデカい宝を尋常じゃない大きさの船に積み、三匹のクソデカい家来と一緒に、物理的にありえない動きでおじいさんとおばあさんの元へ帰りました。

家ではおじいさんとおばあさんが、首を人間の限界を超えて伸ばしながら待っていました。

そこへ桃太郎が三匹の化け物みたいな家来にクソデカい宝物を引かせて、気が狂ったようにふんぞり返って帰って来たので、おじいさんとおばあさんはドン引きするくらい顔を変形させて喜びました。

そしてみんなは、クソデカい家で超ウルトラハッピーに暮らしましたとさ。


めでたし、めでたし。

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