「記憶の神の残響 ― 新たな来訪者、ユナの目覚め ―」
「記憶の神の残響 ― 新たな来訪者、ユナの目覚め ―」
温泉旅行を終え、いつもの“癒しの家”に戻った連たち。
甘く、穏やかな日々。だが――その静寂の裏では、異なる時空の“誰か”が目を覚ましつつあった。
● 別の場所、別の世界 ―
深い青の虚空に、ひとつの小さな「心」が揺れていた。
声が響く。
> 「目覚めよ……記録の神の断片に触れし者……名を“ユナ”と呼ぶ、おまえよ」
少女――ユナは、朧げな夢の中で聞いた名を、口の中で繰り返す。
「……ユナ……わたし、ユナ……?」
彼女の額には、小さく輝く紋章が浮かんでいた。
それは連のものとは違う、**“記録”ではなく、“想起”**の印。
記憶の神がかつて封じた“記録されなかった記憶”――
忘れられ、世界に存在しなかったはずの情報。
だがその残響が、ユナという少女の身体を器に、目を覚まし始めていた。
● 連たちの世界では――
連がふと、胸の奥にチクリとした“ノイズ”のようなものを感じた。
「……ん? なんだ、今の……胸がザワザワする……」
すると神が、小声で告げる。
> 「……どうやら、目覚めたようじゃな。我が分霊を隠しておいた“あの少女”が」
「……え? 神、おまえが誰かに“分けた”って?」
> 「ふむ。あの子は“記録されなかった記憶”――忘却の器なのじゃ。
その存在は本来、誰にも知られてはならぬもの……
だが、おぬしが記憶と“終わり”を受け入れ、世界に安寧をもたらしたことで、バランスが崩れた」
連は眉をひそめた。
「……つまり、“俺たちが幸せになった”ことで、忘れられてたはずの記憶が動き出したってことか?」
神はため息をつく。
> 「まったく、愛とは因果律を狂わせるのう……」
そして――夜。
連は夢の中で、見知らぬ少女と出会う。
「……あなたが、連……?」
少女は“涙を流しながら笑っていた”。
「わたしはユナ。きっと、あなたの……忘れてしまった、もう一つの未来のカケラ」




