「四人で紡ぐ、新しい“終わり”と“始まり”」
「四人で紡ぐ、新しい“終わり”と“始まり”」
陽だまりのリビングに、湯気の立つマグカップが四つ並んでいた。
その香りは、まるで平和そのもの。だが、そこに集う四人はただの家族ではなかった。
一花と二葉――連に想いを寄せる、愛らしい“妹”。
フィリア――記録の家から来た、記憶を操る少女。
そして連――終わりを司る神を、その身に宿す青年。
彼らの“願い”が交差し、この世界が生まれた。
神の力が働いた、新しい現実。
それは、誰にも邪魔されない、四人だけの家族のような場所。
「フィリア、おかわりいる?」
一花がにこっと笑って、フィリアのカップに紅茶を注ぐ。
「ありがとう。一花の手は、あたたかいね」
フィリアは微笑んで、そっとカップを受け取った。
「……でも、わたしは不思議なんだ」
彼女はぽつりと呟く。
「“終わりの神”がこの世界を作ったのなら……この世界には“終わり”があるの?
それとも、ここは“終わらない夢”なの?」
その言葉に、連の瞳が紅く揺れる。
「……終わりは、ある。だけど、俺たちが望んだ“終わり”なら、それは――きっと優しい形をしてる」
二葉が小さくうなずいた。
「うん。例えば……朝、みんなでおはようって言えることとか。
夜、ぎゅってして“おやすみ”って言えることとか。
そういう小さな“終わり”が積み重なって、“今”が続くのかも」
「……終わりを怖がるんじゃなくて、愛せたらいいね」
一花が、フィリアと手をつなぎながら、そう言った。
その瞬間――四人の額に、微かに光る“紋章”が浮かんだ。
それは、終焉の神の力が“安定した”証。
もはや連だけではない。
一花、二葉、フィリア――三人の心が、神の力を受け止めたのだ。
《終わり》は孤独ではない。
今は、四人で分かち合える。