異世界編 Episode X+7:フィリアに迫る記録の神の記憶、そして“記録の家”の秘密
異世界編
Episode X+7:フィリアに迫る記録の神の記憶、そして“記録の家”の秘密
夜も更けた頃、リビングの灯りが消え、窓からは月明かりが柔らかく差し込んでいた。
連と一花と二葉はベッドに眠り、フィリアだけが目を覚ます。
「……なんだか、胸がザワつく」
彼女の内側で、かすかな“声”が響いた。
> 「目覚めよ、記録の器よ。
全ての記憶を……紡ぐために」
思わず手が胸元に触れると、そこに――淡い紋章が浮かび上がった。
古代文字が緩やかに回転し、胸で微かに光る。
鳥肌が立ち、そのままフィリアは立ち上がる。
――無意識に、床を踏み抜いてしまった。指がすり抜けて、彼女は思わず後ずさる。
「ここ……?」
床の一部が、まるで“誰かが記した文字”のようにひび割れていた。
――カタリ、と、何かが動いた音。
フィリアが息を飲んだ。
そのとき、どこからか連の声。
「フィリア? どうしたんだ?」
声のするほうへ戻ると、リビングの床がゆっくりと開き始めていた。
「連兄さん……私、なんだか分からないけど、気になって」
誰にも分からない心の奥、忘れようとしていた何かが――
この地下に眠っていた記憶の一部が、目覚めようとしていた。
連が前に出る。
「大丈夫だ。俺がいる。怖くないよ」
優しく手を伸ばし、フィリアの手を取る。
一花と二葉も目を覚まし、リビングに駆け寄ってきた。
「どうしたの、フィリア?」
「怖がってるなら一緒に行こう」
そして、3人はゆっくりと、床が開いた穴の中へ――。




