表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/51

「おはようバトルは突然に」



(ショートエピソード)



---


「……ん……」


朝。ほんのり差し込む日差しと、微かに香るシャンプーの匂いで目を覚ます連。


「おはよう……兄さん」


左耳に、そっと囁く声。一花のものだ。

その直後。


「おっはよー、兄貴っ♪」


反対側から、ぐいっと抱きつかれる感覚。二葉だ。


「うわっ……お前ら、まだいたのか!?」


「『まだ』ってなによ。泊まるって言ったじゃーん」


「……兄さん、寝てる間、ちょっと笑ってたよ」


「え、ホント!? 私の夢見てたんじゃない?」


「ふふ、それはどうかしら。夢で手、握ってたのは私だったけど」


「ちょ、ずるい! 私だって兄貴とくっついて寝たしっ!」


「もう朝だから、はい、起きて。着替えて、朝ごはんよ」


「えー! 先にぎゅってしてからが朝でしょ~?」


二葉が連の首に腕を回そうとした瞬間、

一花が毛布を引き寄せ、**「接近阻止」**を発動。


「……まだ寝ぼけてる兄さんを襲わないで。色々と危ないでしょ」


「はー!? 私がそんなことするわけ……ちょっと一花、布団引っ張らないでよ!」


「そっちこそ。兄さん、寒そうでしょ?」


「ううっ……お前ら、朝からやめてくれ……っ」


左右から毛布を引っ張られ、

連の布団がズルズルと移動する地獄の綱引きに突入。


「……やっぱり一緒の布団にするのが間違いだった」


呟きながら、連は半分放心状態で天井を見つめた。


が――


「じゃあ、次は誰の部屋で寝る? 兄さん」


「次は私のベッドで! 兄貴が動かなくても、ぜーんぶやってあげるからねっ♪」


「お、お前らなぁ……!!」


朝の空気にしては、あまりにも甘くて騒がしい。

今日も平和(?)な一日が始まる――。



---













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ