いじめで生きてる
いじめられる方が悪い。
本気でそう思っていた。
俺はいつも誰かをいじめてた。
人間としてどうなんだ。
情けない。
ダメなのもわかってる。
でも、どうしても。
やめられない。
いじめたやつが反撃してくることもある。
それを返り討ちにする。
それが気持ちいい。
俺はいじめに生きる意味を見いだした。
いつの間にか、クラス内カーストが出来てくる歳になった。
あっという間だった。
そこからだった。
俺の行動はエスカレートしていった。
精神的にも身体的にも。
先生に注意される。
なにも思わない。
思えない。
生きることがいじめることだから。
でも、そんな自分が怖い。
両親はなにも言ってこない。
それは救いのようで、どこか違う。
そんな気もする。
周りが大きく見えてきた。
俺は、どうやら身長は成長しないようだ。
心もだろ?
俺の声が響く。
その度、誰かをいじめた。
自分でも壊れていくのがわかる。
でも、戻れない。
戻ったら……。
それぐらいわかる。
自分じゃなくなる。
そうだろ?
俺よ。
ある日。
いじめてたやつが、学校に来なくなった。
何ヵ月も。
不登校?
それとも……。
背筋が凍りつく。
まて、落ち着け。
そしたらニュースになっていてもおかしくない。
それに俺が訴えられても……。
嫌だ。
怖いよ。
誰か……。
助けて。
そう祈る。
誰に祈っているのかは、わからない。
ただ、祈るだけ。
そこからだった。
人生が変わったのは。
いじめるのをやめよう。
完全に自己保身だ。
それでも、段々先生から誉められるようになってきた。
それもいじめと同じぐらい。
快楽だ。
今度はこれに依存しよう。
そう思った。
これでいいのだろうか?
これで……。
でも、しょうがない。
依存しないと生きていけない。
しょうがないんだ。
きっと。