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人間  作者: あゆやか
3/9

出会いは唐突、恋は不意討ち

 出会いはいつも唐突だ。

 あの夜もそうだった。

 神はいる。

 そう確信するには、十分すぎる夜だった。

 俺達が最初に会ったのは、ファミリーレストランだ。

 そこで店員に頼まれ、相席をすることになった。

 まさかの女二人とだ。

 思ってもいなかった。

 2対2だ。

 合コンか?

 いや……落ち着け。

 女二人は、ただ楽しみたいだけだ。

 そう考えるようにした。

 そして、始まった。

 襟を正す。

 ドリンクバーを頼む。

 もちろんパスタも。

 出来るだけのカッコつけだ。

 そんなのわかってる。

 だが、意識しない方が失礼ってもんだ。

 隣を見る。

 俺と同じ表情をしていた。

 こいつもか。

 負けてたまるか。

 俺の闘志に火が着いた。

「二人の名前は?」

 最初として俺はさりげなく聞いてみた。

「私が、真央で。」

 金髪のロングヘアーの女が言った。

 まるで、太陽のような笑顔だった。

 もう一人の優しそうな女が続けていった。

「私が、結衣です。」

 かわいい。

 それしか言えない。

 こうやって人を評価できるほどの人間じゃない。

 ……はずだったのに、いつの間にか評価してしまう。

 そんな自分が情けない。

 男としてどうなんだ。

 そんな声が頭に響く。

 コーラで流し込んで事なきを得た。

 会話はスムーズだった。

 ちゃんと俺らの話しも聞いてくれる。

 そこが素晴らしい。

 あと、仕草がかわいい。

 特に結衣。

 首をかしげる姿。

 髪を耳にかける姿。

 その全てが俺を刺激してきた。

 二人はあざとくて、かわいい。

 今まで軽蔑してたあのかわいさだ。

 でも、自分に向けられている。

 そう感じると、気分は最高だ。

 これ程良いものはない。

 そう考えてしまうほどだ。

 これが男だ。

 世の女性の皆様。

 軽蔑しないでください。

 お願いします。

 今、テンションおかしいな。

 そう思い出来るだけ落ち着いた表情を心がけた。

 意味があるかはわからない。

 でも、しないよりましだ。

 そう思うことにする。

 終わりが近づいてきた。

 雰囲気が段々お開きモードになってきた。

 もう終わるのか。

 もう会えないのか。

 めちゃくちゃ寂しい。

 会計を済ませ、外にでる。

 まだ、飲み足りないとか言って二次会に行くか?

 それで男二人だけになったらもっと嫌だ。

 諦めよう。

 そう思ったとき、誰かに肩を叩かれた。

 振り返ると、結衣だった。

 「どうしたの?」

 「なんかあった?」

 結衣は、恥ずかしそうにケータイを見せてきた。

 そこにはLINEのQRコード。

 俺は確信した。

 けど、一応確認だ。

「……友達になっていいの?」

 結衣はゆっくり頷いた。

 神様ありがとう。

 今まで信じてなくてごめんなさい。

 これからは信じます。

 そう神に一礼してから、LINE登録した。

 しゃあ!!

 心は最高潮だ。

 未来に想いを馳せながら噛み締めて帰る。

 本当に神はいる。

 俺は本気で信じてる。

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