神は耳を持たない
今日もまた……生きてしまった。
生きること。
それは本能として備わっているもの。
それが神の意思だとしたら?
なぜ苦しいのに助けてくれない?
救ってくれるのを待っている。
なのに、死にたい。
神なんていない。
そう思わざるを得ない。
祈っても、帰ってくるのは沈黙だけ。
神は耳を持たない。
そう叫ぶ。
私もそうだ。
生きる理由も、死ぬ理由もない。
空虚なまま、生きている。
深呼吸をする。
空気は重かった。
空虚のまま、朝日は昇る。
ただ考える。
私は何のために生まれたのだろう。
何を考えながら死ぬのだろう。
結局行動できない。
そんな自分が情けない。
死ぬほど嫌いだ。
嫌いな自分も嫌いだ。
「消えてしまいたい。」
そう口に出してしまった。
周りを見渡した。
誰も聞いてない。
安心したような、虚無のような。
何とも言えない、少し押せば崩れてしまう。
そんな感情だった。
通学路で踏まれた一輪のタンポポが咲いているのを見かけた。
涙が滲んだ。
制服で目を擦る。
生きたい。
逝きたい。
行きたい。
行けたら。
どんなに……。
そう考えて。
結局行動できない。
誰かに分かってもらった気がして――温もりを掴んだ。
それは、確かにそこにあった気がした。
そう思うときもある。
でも。
水のようにいつの間にか手の中から消えている。
静かすぎて、自分の心の声すら聞こえない。
何が……したいんだろうな。
私は、生きたい。
私は、死にたい。
私は……。
どうしたらいい?
問いは消えない。
きっと答えなんてない。
分かっていても探してしまう。
生きながら。
明日もまた目覚める。
空には三日月。
とても輝いている。
そんな気がする。
私は、生きている。