エピローグ2 外海からの来訪者 ヴァーリアンラット
グチャッ。ヌチャッ。。。
最後に聞いた音は仲間が自分の内臓を咀嚼する音だった。
人間の巣を襲ったが、作物を荒らすだけに終わった。
次に逃げる人間を襲ったが、食べ物にはありつけなかった。
一度目の失敗で群れを離れた仲間もいた。二度目の失敗で仲間から襲われた。
もとより体も小さい。抵抗など無意味だった。
他にも共食いしている仲間が見える。
獲物にありつけない時はよくある光景だった。自分が喰われる側になっていること以外は。
すでに多くの仲間を犠牲にし、去って行った者も大勢いる。
この群れはもう壊滅寸前だ。
生まれた地で生きていれば、まだ生きれていたのだろうか。
意識が途絶えた。
その後この群れはまた同じ人間の巣を襲うが、何も獲物を得られずに終わる。
空腹を満たすために仲間を食べ、また数が減った。
そこに今度は人間が襲いかかって来た。
群れは蹂躙され、残ったものはいない。
——ギィーーギィーーー
森の奥。元は何かの生き物が掘ったのであろう巣穴の奥で産声が上がる。
群れを離れたヴァーリアンラットの個体が出産したのである。
十数匹が一度に生まれた。
生まれてまもなく、母親の乳に一生懸命吸い付き母乳を飲み始める。
力の弱いものは母親の母乳にすらありつけない。
それどころか力の強いものに引っ掻かれ、噛みつかれオモチャのように扱われる。
力の弱い個体に生きる権利などない。
そうして弱った赤ん坊は母親に食べられ、強いものの栄養として還元される。
こうしてヴァーリアンラットの新たな群れが誕生した。




