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ケンの戦い

「やつらが来た!!」

みんなに聞こえる様に叫ぶ。


馬の脚力の方が勝って(まさって)いるため、ヴァーリアンラットとの距離は開いていく。

しかし船着場はすぐそこだ。

船に全員が乗るまでには差を詰められているだろう。時間稼ぎが必要だ。


俺は腰の木剣に触れる。

やれるか。。。いや、これだけでは無理だ。。。

父さんに持たされた小袋を見つめる。

痺れ薬と動物の嫌がる匂いを調合したものが入っている。

それが五つ。。。


頭の中で戦闘プランを構築していく。。。これなら。。。僅かながらの勝算を見出す。それは実に拙いものであるが俺に出来る最善。


船着場が近づき速度が落ちてくる。

振り向きシャリーを一目見る。あいも変わらず膝を抱え小さくなっている。俺のせいで。。。


追って来るヴァーリアンラットの群れに目線を戻す。

まだ距離はある。馬の速度も落ちて来ている。船着場まで走っていける距離。タイミングは。。。。。。今だ!!

俺は荷台から飛び降り。勢いを殺すように転がる。


「ケン!!!」

飛び降りたことに気づいたミカ姉の叫びが聞こえる。

速度が落ちていたとはいえ、馬が引いている荷台から飛び降りたのだ。あちこち擦り傷だらけとなった。

痛みに顔を顰める(しかめる)。痛いが動きに影響するほどではない。

俺は立ち上がって小袋を三つ用意した。左手に二つ、右手に一つ持つ。


準備は整った。

目の前にはヴァーリアンラットの群れが迫って来ている。

個体により走力に差があるため、細く縦長な列となっている。


——ダダダッダダッ


まだだ。まだ引きつける。。。

段々とこちらに近づいてくる。


30メートル、20メートル、15メートル。。。。


ここだ!!

群れの先頭目掛けて小袋を投げつける。

鼻先に小袋が当たり、中身が拡散される。

粉末を直接浴びた先頭の個体はあまりの匂いのキツさに足を止めて手で顔を拭う。

しかし先頭が足を止めたとして、後続のヴァーリアンラットが足を止める訳もない。

足を止めた個体にぶつかり転げる。さらにその後続も転げた個体にぶつかり転げる。玉突き事故のように次々と衝突していく。

しかしそれも最初だけで、転げたヴァーリアンラットを踏みつけこちらに迫ってくる。

踏みつけられたヴァーリアンラットの血が地面に染みる。

それが血溜まりとなり、それを踏みしめたヴァーリアンラットの足跡が血に染まる。


まだ勢いあるヴァーリアンラットの群れに、もう一度小袋を投げつける。

一回目と同様の結果となり、転げて踏みつけられたヴァーリアンラットの死体の山が二つになる。

そして用意していた三つ目を目前に迫っているヴァーリアンラットに投げつける。

同時に俺は木剣を取り出し構えた。


三つ目の小袋の粉末を受けたヴァーリアンラットは足を止めて苦しがる。

その後ろからから来るヴァーリアンラットはぶつかることなく、踏み越えてくる。

これまでで勢いが削がれていたようだ。


俺は乗り越えて来たヴァーリアンラットの横面を薙ぎ払う。

ネズミにしては大型だが、所詮は子犬程度の大きさだ。

容易に二、三体まとめて打つことができる。

横顔を強か(したたか)に打ち付けられたヴァーリアンラットは顔を横にのけ反り足を止める。

そして後続に踏みつけられ、のし掛かられられ、潰される。


自分で倒す必要などない。一瞬でも足止め出来れば良い。

下がりながら先頭にくるヴァーリアンラットの足止めを行う。


ヴァーリアンラットの死体が一段二段と積み重なって来た。

うまく型にはまった。このままみんなが船に乗るまで時間を稼げば良い。


しかし死体の山が大きくなりすぎた。

目の前の死体の山を越えるより、迂回すれば良い。当たり前だ。

左右に分かれて、積み上がった死体の山を迂回する個体が現れ出した。

まずい!!対応できない!!

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