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シャリーの案

「バカもんが!!」

急にセレスの声が頭に響いた。

『えっ、なんで』声に出そうとしたが口が動かない。


「今は声は出せんよ。いつもと同じじゃ思っとるだけで伝わる」

声が出せない?それどころか体も動かないよ。

「正確には声も出せるし体も動かせるのだかの。今は脳の処理速度を上げておるのよ。

 そのせいで1秒が数分に引き伸ばされているように感じておるのでの。いつも通りにいかぬだけよ」

またそんな訳の分からないことして!!

「お主。。。今我はお主を助けておるのだぞ。。。

 だが、まぁよい我にも都合よかったのでの」

都合。。。?

「よいよい、気にせんでよい。そうだの、まずはお主が不用意に魔法を使ったせいでこの場にいる全員が死ぬかもしれんことを理解せよ」


えっ。。。助けてくれるんじゃないの!!?それに私はみんなを助けようと!!

「はぁぁぁ、さっき坊主の父が言っておったではないか。『魔法は都合の良いものではない』と」

でもみんな死ぬなんて!!それにその魔法の結果がこれなの!!?


「まだ魔法は発動まで至っておらんよ。我が止めておるしの。力の一部を使ってこうして時間稼ぎをしておるのよ」

じゃあ魔法が発動してたらみんな死んでたの?

「それは分からん。だがお主は何を祈った?」

分からんって、こっちの方が分かんないよ!!


「まずは質問に答えんか。お主は何を祈った?」

むー、助けてって。

「助かるとはなんだ?」

えっと、今襲ってきている魔物を全部倒すとか。。。?

「どうやって倒す?」

どうって。。。

「建物ごと魔物を焼き払ってしまうかもしれんぞ。その時他のものはどうなる?そんな曖昧な祈りだと何が起こるか分からんぞ」


でも、そんなこと言われても。。。

「前も説明したがの、魔法はお主達の祈りを起因として、我々の力を使って発動するものよ。

 我々の力がどうのように使われ世界に干渉しているのかは正確には分かっておらんが。

 お主の祈りが魔法の根幹をなしているということは間違いない。その祈りを曖昧にするでない」


でも、どうすれば良いか分からないよ。

「お主が本当に望んでおることはなんだ?」

望んでいることなんて決まってる!!みんなが助かることだよ!!

「どうやったらみんなが助かるのだ?」

そんなの、襲ってくる魔物がいなくなれば。。。

「どうやったらいなくなる?」

。。。そんなの。。。分かんないよ。。。とにかくいなくなれば!!あんなのがいるから!!

こんなことやってなんの意味あるの!!どうすれば良いか教えてよ!!


「みなを助けたいのだろう?いいか。魔法というのは本当に厄介なんじゃ。

 この世界の創造神は本当に捻くれておるのよ。神に祈れば願いが叶うように作っておきながら、その実願ったことしか(・・・・・・・)叶わぬ。。。人はみな幸せを望んで願うものだが、その願いが幸せにつながるとは限らん。ましてや願ったこと以外はまるで無視されるかのようでは。。。のう」


。。。

「お主の願いを明確にして祈りにのせたところで結果が良くなるかも分からん。意味のないことかもしれん。。。だが何も分からぬままやるよりは良かろう」


。。。そうかもしれないけど。。。もう何をどうすれば良いか分からないよ。。。

いっそのことセレスがやれば良いのに。。。


「うーむ。我が答えを用意しても良いが。。。多分うまくいかぬぞ。

 お主の思いはお主のものじゃ。他人の用意したものを形だけなぞっても失敗するだろうて」

ううん。ちがうよ。セレスがやれば良いんだよ。

セレスが魔物を倒してよ。


「えっ。。。はっ?。。。あぁ、なるほどのぅ。。。我が倒すか。。。うーむ、そうか。。。これは妙案かもしれんぞ。。。

 確かに、お主は我を明確に認識しておるし、姿形のイメージも持っておる」

うまくいきそう?

「そうだな。うまくいくとまでは言い切れぬが。これ以上ない案だと思うぞ」

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