表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/69

外の様子

「おい、ミカ!!ロープはあるか」

いきなり大声で名前を呼ばれ、ミカ姉はビクリと肩を震わす。

「あーっと、そこに一本くらいはあるはずだよ」

そう言って店の商品が保管されている一画を指さす。


「お前ら探しておけ」

口髭の男は若手に指示を出す。

「上の窓から外の様子を見る気ですか?」

カーターが口髭の男に尋ねる。

「あぁ、今はそんくらいしか出来ねぇからな」


「ありました」と若い男が重りになりそうな物とセットでロープを持ってきた。

「おう、気がきくじゃねぇか。そこら辺危ないからどいてろ!!」

ロープを受け取り、ロープの先端に重りをくくりつける。


口髭の男は重りをつけたロープをブンブンと振り回し勢いをつけて投擲した。上手いことロープが梁の上を通り、重りの勢いで梁にロープが何重にも巻きつく。

二度三度引っ張って、登れそうか確認をする。

「誰か身軽な奴はいねぇか?」


これを登れというのか。。。いつ解けるやもしれぬロープで5、6メートルはあろうかという高さまで登るのは。。。

みんな押し付ける様に視線を交わす。


そんな中ケンが手を上げた。

「俺が行くよ」

「おう、確かにお前なら適任かもな。学者先生、それで良いか?」

みんなの視線がケンの親であるカーターに注がれる(そそがれる)

「親としてはやらせたくはないですが。。。仕方ないでしょう」

普段は表情が豊かとは言えないカーターであるが、この時は誰が見てもやらせたくない思いが表情に表れていた。


「落ちたとしても、ちゃんと受け止めてやるからな」

「うん、行ってくるよ」

カーターに返事をしケンはロープに手をかける。


日頃鍛えているだけあって、するするとロープを登っていく。

なんなくロープを登り終え梁の上に乗っかる。ロープを緩めて、梁の端に移動させしっかりと結び直した。

窓は梁の少し下に位置するので、今度はロープを伝って少し降り窓の端に左手をかける。


窓から外を見下ろすが、室内の明かりに目が慣れていたせいで外の様子がまるで見えない。

目をつむり暗闇に目を慣らす。。。再び窓の外を見る。。。少し見える気がする。もぞもぞと黒い影が蠢いて(うごめいて)いる感じがする。

もっと良く見えないか。。。窓に顔を近づけ更に目を凝らす。


どんどんと目が闇に慣れてきて、朧げながら影の輪郭を捉え出した。

黒い影が押し合いながら、のけ合いながら、ひしめいている様がだんだん見え始めた。

しかし遠近感がまだつかめていない。何かがおかしい。


鋭い爪がある前脚で仲間の背を踏みつけ前に行こうとする。しかし更に後ろから来た仲間に踏まれ群れの中に埋もれていく。何重にも。。。何重にも。。。繰り返され積み重なっていく。


その時俺は理解した。遠近感がおかしいのではなかった。ヴァーリアンラットが積み重なって地面よりも近いところ(・・・・・・・・・・)にいたのだ。


窓は相当高い位置にある。流石にここまでは届かないだろうとは思う。。。思うが。。。暗闇の中から次々と這い出ては積み重なっていくヴァーリアンラットの影を見ているといずれは。。。


これ以上見ても嫌な妄想を膨らませてしまうだけだ。そう思いそっと窓から左手を離す。

左手をロープに戻し、登った時と同様にするするとロープを降りていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ