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夢での出会い3

「こうして会話が出来るのは、簡単に言うとお主が魔法を使ったおかげなのだよ」

「えっ、私使ってないよ!!使い方も分からないし!!」

思わず声が出た。

「使い方などあってない様なものだ。お主の願いに我が応えたに過ぎん。

 ヴァーリアンラットとか言ったかの。あのネズミに襲われた時に願ったではないか『助けて』と」

私は。。。あの時。。。思い出そうとするが上手くいかない、あの時の記憶だけポカリと穴が空いている様だ。


「そうか、お主あの時の記憶がないのであったな。

 ふむ、思い出させても良いが。。。

 うーむ。。。よし、映像として見せてやろう」

セレスはパチンと指を鳴らした。

その瞬間私は森の上空に浮いていた。


「あの辺を見てみるが良い」

セレスの指差した方を見ると、ケンに手を引かれ走っている私の姿が見えた。

二人の周辺だけ木々が透過した様になり、視界を遮られることなくその姿を確認出来る。

しかしどこか変だ。

私がケンに怯えている様に見える。

「この少し前にのケンが魔法を使っておってな、その影響でお主はケンを恐れておったのじゃ」


そして私がへたり込み、ケンが私の名前を叫んでいる。

私の怯え方が尋常じゃなくなってきている。

『助けて。。。助けてよ。。。ケン。。。』

私がそう呟き気を失った。


「ここじゃ!!ほら助けを求めておるじゃろ?」

セレスが同意を求めてくるが、私はショックを受けそれどころではない。

ケンは私を助けようとしてくれたのに。。。私は。。。


「ぬう、呆けよって。今はそう言うのはいらんのよ」

セレスはバチンと指を鳴らす。

私の中で先程までショックやそれに付随する様々な感情が急激に薄れていく。

急激な感情の変化に戸惑い「えっ」と情けない声を上げてしまう。


「感情を風化させたのよ。

 どんな楽しいことも悲しいことも時間が経てば薄れゆくでの」

なっ、なんてことを!!

「そう怒るでない。また後で元に戻してやるでの」

「元に戻せば良いと言うものじゃないよ!!」

怒っている私をセレスは楽しそうに眺めている。


「話を戻すぞ。お主が我に助けを求めたところまでは良いか?」

「私はケンに助けを求めたんだよ!!」

思わず反論をした。

「ククク、そうだなお主的にはそうなのかもな。

 実はな、我は剣神なのだよ。

 なのでな『ケン()』に助けを求めるのであれば、我が助けるのが道理というものだろう」

セレスは胸を張って自信満々に言い放つ。

「それはちょっと無理やりじゃないの」

私は目を細めジトーっとセレスを見た。


「ククク、そうかもな。

 だが世界がそれを許したのだ。

 それでお主も助かったのだから文句を言うでない」

「助かったって、魔法の影響とかでちょっと怖がってただけでしょ」

意地になっている私は反論する。

「ちょっととな、ククク。

 あのまま放っておいたらお主の精神は崩壊しておったよ。

 なのでな、お主の意識を断って、記憶を消したりと色々したのだよ」


「記憶を消したりと言ったところがミソでな。

 そんな細かいことを魔法として行うことが難しかったのでの、お主の意識下に我の分身を構築したのだ。

 その分身が記憶を消したりな色々したのだ、そして今こうしておる我がその分身よ」

セレスの語り口が乗りに乗って来ている。


「それにしても人の中に我を構築することを思いついたのは僥倖ぎょうこうだったわい。

 ようやくこの世界に入り込めたのでのう。

 初めてここの創造神の鼻を明かしてやった気分だったわい」

セレスがカカカと楽しそうに笑う。


「お主も幸運よのう。分身体とは言え神を降ろせるだけの器を持っていたのだからのう」

そう聞いてもピンと来ない。そもそもそれが幸運なことさえ分からない。

「世界に数人程度しかおらぬといえば、お主がいかに幸運であったか分かるであろう」

うーん、まだ自分がそんな大層な器の持ち主であることが疑問である。

なにせお父さんもお母さんも普通だ。

そんな世界に数人しかいないと言われても、自分がそんな大それた器を持っているとは思えない。

案外みんな持っているんじゃないのか?とすら思ってしまう。


「カカカ、神を降ろせる者がそんな沢山いるなど聞いたこともないわ」

私をバカにする様にセレスが笑うが、次第に顔つきが険しくなっていく。

「しかし、確かにのう。お主の様な普通の村娘が。。。それに偶然にしては出来過ぎとるのう。。。」

セレスは腕を汲み宙を漂いながら考え事をする。


「ここの生命体は全て神を降ろせる。。。いや神の力を取り込める器になっているのか。。。

 だとしたら創造神は我々に何かをさせようとしているのか。。。」

相変わらず宙を漂いながらブツブツと呟いている。

「あー、分からぬ!!まだまだ我は手のひらの上だというのか!!

 お主の言う通りかもしれんの、我もお主がそんな大層な存在には見えんわ」

なんか自分で言うのは良いが、他人?他神?に言われるのは気にかかる。

私は少しムーっとした。


「まぁよい、これで我とお主が言葉を交わせる事が特別だと分かったであろう」

「なんとなくは」

「我が懇切丁寧に説明したのだ、もっと感謝しても良いのだぞ」

「ありがとーございましたー」

私は感謝のこもっていない感謝の言葉を述べた。


「よいよい、人の子は素直に神に感謝するものじゃ。

 さて、これで気になることはもうないの!!

 メインのお喋りが出来るのう!!」

セレスはそう言うが、私はもうお腹いっぱいだ。

お喋りは十分したじゃないか!!

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