夢での出会い1
今日は寝れるのか?
ケンに初めて頭を撫でられた時でさえ寝れなくなったのだ。
今日の出来事を思い出すだけで感情が昂り心臓の鼓動が速くなる。
感情の昂りを枕をギューっと抱きしめることにより落ち着かせようとする。
疲れていたせいか、予想に反してシャリーはすぐに眠りについた。
「おい!!聞いておるのか!!」
「だーれー?」
なんだか視界もぼやけているし、頭もボーッしている。
「うむ、まだ意識が完全にこちらに来ておらぬようだな。
時間も限られておるし、仕方ない。引っ張ってやるか」
ぐぃーーーっと頭を引っ張られる様な感覚を感じ、次第に思考がクリアになっていく。
「どれ、もう大丈夫だろう?」
「うん」
何が大丈夫か分からなかったがとりあえず返事しておいた。
「まだダメか?」
そう言い、また頭を引っ張られる。
「イタタタ」
「なんだ、もう来ておるではないか。お主普段からボーッとしておるのか?」
「もう、なんなの!!いきなり!!」
温厚な私でも怒る!!
訳の分からないことを言われ、頭を引っ張られる。挙げ句の果てにボーッとしているだって!!
「そうそう怒るでない。我はお主とお喋りしたいだけだ」
「お喋り?」
全く話が見えない。おうむ返しに聞き返すことしか出来なかった。
「そうだ、楽しくお喋りをしたいのだ」
そうなのか、お喋りがしたいのか。
そもそもこの少女は誰なんだ?
短めの黒髪は毛先が少し外向きに跳ねている。大きな目はやや吊り目気味になっており勝気な印象だ。
着ている白いワンピースは飾り気はないが、裾を一周する様に刺繍がしてある。
「我が誰か気になっておるのか?」
こちらの頭の中を覗いたかの様に問いかけてくる。
「まぁ正直我のことなど、どうでも良いが。少しくらい知っておいて貰った方がお喋りも捗るだろう」
都合よく自分のことを話してくれるらしい。これで少し状況が分かるかもしれない。
「我はお主たちの言うところの神というやつだ。
名前は色々な呼ばれ方をしとるからのう。セレスとでも呼んでくれ」
「セレス。。。様」
聞いたことのない名前だ。といってもシャリー自身宗教と無縁の生活をしているため有名な神様の名前さえ知らないのだが。。。
「さぁ、我の自己紹介も済んだし。楽しくお喋りをしようではないか!!」
「ちょっと待って、まだ何も分かんないよ」
「むぅ、そうか?では何が分かれば良いのだ?」
具体的に何がと言われると困るが。。。とりあえずもう少し状況なり事情が知りたい。
「ここはどこなの?そもそもなんで神様が私とお喋りしたいの?」
私の部屋に似ているが、全然広い。
私は自分のベットに座っているが、向かいには知らないソファーが置かれており、他にもこの部屋に似つかわしくないシャンデリアがぶら下がっている。テーブルやその上に乗っているティーセットも見覚えがない豪華なものになっている。
自称神様はソファーに座ったり、宙に浮かんだりとフラフラしている。
「ここは夢の中の様なものだ。まぁ正確には違うが、そう思っておいてもらえれば良い。
お主の意識が反映されておるので、お主の部屋に似ておるのだ。
まぁ我がちょっと手を加えておるがの」
なるほど、見たことない家具等は神様の仕業か。
「お主とお喋りしたい理由はのー、端的に言えば娯楽かのう。
我らの寿命は長いからの、色々なものに手を出しておるのだ」
お喋りしたい理由が娯楽と聞き、なんか残念な気持ちになる。
そもそもお喋りは娯楽の一種と言えなくもないが、自称でも神様から直々の頼まれごとだ。
何か特別な理由を心のどこかで期待していたのかもしれない。
「まぁまぁ、そう拗ねるでない。
いくつか偶然が重なって、お主と話が出来るのだ。
我は誰とでも話が出来る訳ではないぞ」
「そうなの?」
「うむ、そうだぞ」
そう言うとセレスは指をパチンと鳴らした。
「少し話が長くなるかもしれんからのう。時間を停滞させて貰った。
メインのお喋りの時間が無くなってしまうかもしれんからの」
「そんなことも出来るの?」
時間を操るなど考えもしなかった。
「現実であれば無理だが、ここは夢の中の様なものだからの。なんでもありじゃ」
「さてさて、お主と話すことが出来るこの状況なのじゃが。。。
それを説明するとなると、この世界についても少し語らねばならん。
まずはそこからかのう」
この世界について。。。
なんか想像もしない方向に話が行き、何がなんだか分からなくなって来た。




