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日常5

うーあああぁぁぁ、言った!!言ってしまった!!

好きだと言ってしまった!!!


今日のケンは何かおかしい。

昼間にしても剣の訓練とは言え妙にくっついて来たり、いきなり抱きしめたりと積極的だ。

それが嫌というわけじゃない。むしろ嬉しい。

今となってはそれほど私のことが好きだったのかとニヤけてしまう。

そんなことを思いながら、ケンから伝わる心地よい暖かさに私は身を任せる。


するとケンが力を緩め私を開放する。

むぅ、やはりケンはせっかちさんだ!!

もう少しだ!!もう少し抱きしめることを要求する!!

私は心の中で叫んだ!!

あくまで心の中だけでだ。わがままを言うと嫌われるかもしれない。。。

私は我慢した。

しかし、私の手は我慢出来なかった様だ。

ケンの服の裾を掴んでいる。

「もう少しだけ」

私の声も我慢出来ていなかった。

仕方ない。私は我慢出来たが、手と声が我慢出来なかったのだ。


ケンはそんな私の思いに応えてくれて、再び抱きしめてくれた。

後ろに回された両手は力強いが、痛さや苦しさもなく包み込んでくれているところに優しさを感じる。

顔のあたりにある首筋は筋肉で覆われており、ちょっと背伸びしてハムっと噛んでしまいたい衝動に襲われてしまう。

ずっと剣の訓練をしているだけあり、力強さを感じる。

守られている感じがして、なんか良い。安心する。


「もうそろそろ帰らないと」

あたりは日が落ちる寸前という感じで大分暗くなっている。

最近は魔物対策で家の窓も塞がれており、家から漏れる光も少なくなり夜の闇が深くなっている。

もう少し一緒に居たいが完全に日が沈む前に帰らねば。

「そうだね」

私の一言をきっかけにケンは離れる。


ケンはそそくさと歩き出してしまう。

慌てて後を追い歩き出すが、ケンの温もりが無くなったことに無性に寂しくなる。

「えい」

せめて手だけでも。。。思い切ってケンの手を取る。

ケンがこちらを見てくる。私は顔を見ることが出来ず地面に目を落とす。

手を軽く握り返され、そのまま手を繋ぎ歩いた。

手だけでもケンの温もりを感じれるのは嬉しい。

私の頬は緩みっぱなしだ。


家に着く頃にはすっかり日が落ちてしまった。

「暗くなったけど、大丈夫?ランタン貸そうか?」

「近いし大丈夫だよ」

「そう。。。」

まだ離れたくない。

「また、明日」

「あっ、待って」

ケンがこちらを見てくる。

呼び止めたは良いものの、何も言うことを思い浮かばず言葉を探す。

そんな様子を見て、頭に手を置き優しく撫でる。

「また明日」

再びケンが別れの言葉を言う。

私は「うん、また明日」と小さく返した。

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