日常2_裏2
「まずはこっちから話していいか?
すぐに済むからよ」
口髭の男が軽く手を上げる。
私は返事の代わりに軽く頷く。
「窓の補強は全部終わったぜ。
あとは集会場の扉と森側の柵の補強なんだが2、3日で終わるだろうよ。
まぁ、柵の補強は効果なさそうだから、やるのは痛んいる箇所だけだがな」
小さな村とはいえ、森に面している部分は広範囲に及ぶ。
申し訳程度に柵があるだけなので、それを全部補強するとなると材料も時間も足りないだろう。
「うむ、まぁ柵より逃げ込む場所の補強を優先した方が良いだろうな」
「そっちはどうだ?」
魔物の巣の調査を行っている細目の男に私は問いかけた。
この細目の男は狩りを生業にしており、獲物を狙う時だけ目を見開くと言う噂だ。
「こっちも概ね順調だ。
嬢ちゃん達が襲われた場所から痕跡を辿って、巣のある方角くらいは分かってきている」
「痕跡を辿っているのなら、巣の場所はすぐに分からんのか?」
「チッ、簡単に言ってくれるな。
そんなにすぐ分かるのであれば、お前さんがやれば良いだろう」
細目の男は一瞬にして不機嫌になってしまった。
その様子で私は失言に気づき慌てて謝罪した。
細めの男も素直に謝罪を受け入れたが、それで機嫌が直ったとは言い難かった。
「それでこのまま痕跡を辿れば巣の場所は分かるのかね?」
「正直時間も経っているから巣の場所までは分からんと思うね。
あとは他の痕跡を探すか、餌で誘き出すか、近くの水場を見張るか。。。
まぁ、いくつか手があるからなんとか見つけてみるさ。」
なんとも頼もしい回答をしてくれるのか!!
「どのくらいで見つかりそうか分かるか?」
「目処としては3日ってところだ。
それ以上かかるようなら見つかる可能性は低くなるだろうね」
ん、一気に頼もしさが薄れたぞ。
まぁ、森は広いし仕方がないのかもしれんが。
「そうか。もし見つからなかった場合は、巣の調査も教会に協力してもらわねばならんな」
「そういえば学者先生、頼まれてたやつ採ってきたぜ。
あとで家に持っていってやるよ」
「ありがとうございます」
細目の男にカーターはお礼を言う。
「色々植物を採ってきてもらうようお願いしていたんです。
毒性のあるやつとか生物の嫌う匂いのするやつとかですね。
襲われた時の時間稼ぎなどに使えるかなと思いまして」
私が2人のやりとりを怪訝そうに見ていたため、カーターが説明してくれた。
それにしても順調に進んでいるようで、何も進んでいない。
魔物の巣も見つからず、街からの協力は得られず、教会とも連絡がとれているとは言いづらい。
村の補強が進んでいる分マシなのかもしれないが、もどかしさを感じてしまう。
せめて教会とちゃんと連絡がとれればと思う。
人員さえ確保出来れば、村の警備を出来るし、魔物の巣の調査も討伐も行える。
教会から話を持っていけば街の方も協力してくれるかもしれない。
何もかもがうまく行くような気がする。




