日常2_裏1
街に出した連絡係の青年が昨日帰ってきた。
そのことについてこれから話し合うことになっている。
しかし何度読み返しても怒りが湧き上がってくる。
『魔物がいる証拠があれば、すぐにでも支援の検討を行う』と言う事が回りくどく書いてあるのだ!!
この調子であれば証拠とやらを見せたところで、何も変わりそうにない。
所詮対岸の火事なのだ。
怒りに任せて手紙を破りさりたいが、そうもいかない。
少なくとも今日来るメンバーには見せておいた方が良いだろう。
私は椅子の背もたれに体重を預け、深いため息をついた。
その時玄関の開く音とともに
「お邪魔するぜ、村長いるんだろー」
大声が家中にこだまする。
私は深いため息とともに、こめかみを抑える。
あのアホどもめ、また勝手に入ってきおって!!
「おやおや、いらっしゃい。
主人を呼んできますね、居間にいらしてください」
妻が無礼な客人の対応をする声が聞こえる。
私は手紙を手に持ち、乱暴に椅子から立ち上がり居間へ向かう。
村の補強担当、魔物の巣の調査担当のそれぞれの代表者と街との連絡係の青年。
そしてカーターを含め4人の大人が居間に集まっていた。
「おう、村長。手紙が返って来たんだってな」
村の補強を担当している口髭の男が問いかけてくる。
「これがそうだ」
口髭の男に手紙を差し出す。
「なんだ、読んじゃくれないのかよ」
口の端を釣り上げ、軽口を言いながら読み始める。
そして読み進めるにつれ、だんだん顔つきが険しくなっていった。
読み終わると乱暴に隣に手紙を手渡す。
全員が読み終わったタイミングで
「つまり、期待するなってことだろ。
これどうするんだ?
たとえネズミ共の巣が見つかったとして、俺たちだけで何とか出来るものなのか?」
口髭の男が問いかける。
「あーそれなのだが、こやつのおかげで教会に協力してもらえることになった」
私は連絡係の若者の肩を叩きながら誇らしげに言い放った。
「おう、それは良い報せじゃないか。
で、もちっと経緯ってもんを説明しちゃくれないか?」
口髭の男が青年に目線を向ける。
「あっ、えっと。。。カーターさんが他にも調査に来ているって、言ってたので、えっと、宿に泊まっているかもって。。。」
青年がしどろもどろに話していたが
「おう、分かった分かった。
宿にたまたま居たとかで、取り次いでもらったのか」
口髭の男に遮られ、結論を先に言われてしまった。
「はい。
あっ、それとカーターさんに伝言が。。。
えーっと、その人が『このことを伝えに行くから、自分はまだそちらに行けそうにない』って」
「ん?学者先生なんのことかわかるかい?」
「あーはい、多分。
こちらに来る予定だった者と偶然会ったようですね」
この村にはカーターともう1人アランという若手が来る予定となっていた。
スケジュールの都合上遅れて村にやってくるはずだったが、偶然にも青年と会ったようだ。
それで教会との渡りをつけるため、まだ来れないとのことだろう。
「おほん、話が逸れてしまったが、魔物討伐の際の戦力はそちらに期待しようではないか」
私は咳払いし注目を集めそう言った。
「それで村の補強と巣の調査の方はどうなっておるのだ?」




