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日常1

外出はあっさりと許可された。

断られると思っていたため、「運動にもなるし」だとか「閉じこもってばかりだと」だとか「気晴らしに」とか色々外に連れ出すための言い訳を考えていたが無駄になった。

ダニエルから許可をとって、意気揚々とシャリーの部屋に戻る。


「外出て良いってよ」

「本当に!!」

シャリーが元気よく答える。

「うん、なんかあっさり許可もらえたよ」

「そうなんだ。あっ、ちょっと外で待ってて」

「えっ、外で?」

俺が聞き返すと

「着替えたいから。。。」

服の胸元を少し掴み、シャリーは恥ずかしそうに言った。

「あっ、ごめん、すぐに出るよ」

俺は慌てて部屋から出た。


その後、俺たちはシャリーの両親に出かけの挨拶をし家を出た。

「なんだか久しぶりだね」

「そうだね」

魔物が出る前にシャリーと集会場に通った日々が懐かしく感じる。

空き家が解体されたり、民家の窓が板で補強されていたりと以前とは見える風景も少し変わっている。

会話らしい会話もなく集会場前の広場に着く。

「お店出してないんだね」

ミカ姉は広場で店を開かず、集会場の中で開くようになっていた。

なんでも村長からの指示らしい。

この指示に対してミカ姉から相当な文句を俺は聞かされていた。

以前に広場に店を出すのは手間だから、集会場の中でやりたいと言ったのを村長に却下されたのを根に持っているのだ。

却下された意見をやれと言われたのだ、文句の一つも言いたくなるだろう。


「ミカ姉!!」

「シャリー!!」

集会場に入るなり、シャリーはミカ姉に駆け寄り飛びついた。

「久しぶりだー」

「もう平気なの?大丈夫?」

ミカ姉はシャリーの頭を撫でながら聞く。

「うん、平気!!

 逆に家に閉じこもってた方が辛いよ!!」

あれ、俺に会った時よりも嬉しそうじゃないか?

まぁ、付き合いの長さから言えばしょうがないが。少し悔しい。


「シャリーがいない時のケンの寂しがりようは見ていられなかったよ」

ミカ姉はシャリーとの再会の抱擁ほうようをしたあとにそう言った。

「なっ!!」

「そうなの?」

俺が抗議の声を出す前にシャリーに聞かれる。

期待を込められた目で見つめられると、否定するのも気が引ける。

「少しくらいはね」

迷った末に微妙な回答をした。

ミカ姉はニヤニヤしてその様子を眺めている。

シャリーがいつも「ミカ姉はすぐにからかってくるんだよー」と頬を膨らませているが、その気持ちが少し分かってきた。

俺も頬を膨らませないまでも、文句の一つでも言いたい。


「ミカ姉は私がいなくて寂しかった?」

「うん、すごく寂しかったよ。

 からかい甲斐のある妹分がいないと、すごく寂しい」

一言余計だ。

その一言がなければなーと最近よく思う。

ミカ姉はシャリーにポカポカ殴られながらケラケラと笑っている。

そんな二人を見ていると、日常が戻ってきたような気がした。

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