魔物対策会議
ガチャ
玄関を開けて学者先生が入って来た。
「どうぞどうぞ、こちらに」
私は椅子を進めた。
「さっそくで悪いのですが、魔物に襲われた経緯など話していただければと」
村長に促されカーターは話始める。
「まず経緯から。。。」
カーターは簡単な経緯を説明する。
「ケン達が襲われた魔物の今後の対応を相談できればと思います」
説明の後にそう締めくくった。
「すまん学者先生、その前に魔物って何なんなのか教えてくれ」
口髭を蓄えた40代くらいの男がカーターに質問をした。
「そうですね。アレス教はご存知ですか?」
アレス教とは全世界に広まっている人間から一番信仰されている宗教である。
「あぁ、そのくらいはな」
「そのアレス教の教えの中で魔物は邪神の手先と言われています。
実際は普通の生物なのですが、人間を襲ったり、大きな害を与えた生物が魔物と認定されています。
危険な生物くらいにとらえて頂ければ良いかと」
「くだらない質問に答えてくれてありがとよ。
それで坊主達が襲われた魔物について何か知っているのかい?」
「ヴァーリアンラットというネズミの魔物と特徴が一致しています。
過去に小さな村を壊滅させた事があり、非常に危険な魔物です。
個体としては、さほど脅威ではないですが、繁殖力が強く集団で襲いかかって来ます」
村が壊滅。。。?集団で襲いかかってくる。。。?
襲われた子どもも大した怪我をしていなかった事から、そんな大層な物だと思っても見なかった。
それだけに頭が話に追いつかない。
ネズミの大群が村に押し寄せてくるのか?私の村に?
そう思うとゾッとし、次の瞬間には叫んでいた。
「そ、そんな物この近辺にいるなんて聞いた事ないぞ!!」
「森の奥から出て来たか、あるいは船の荷物に紛れて外からやって来たか。。。
どちらにしろ、この近辺にヴァーリアンラットが潜んでいる可能性が高いです」
「それで、具体的に何をすれば良いんだ?」
口髭の男が尋ねる。
「そうですね。。。まずやりたい事は3つあります。
1つ目は周辺の村や街への連絡、救援も求められれば良いですね。
2つ目は村の防衛、村周辺の柵、家の扉、窓の補強。
3つ目はヴァーリアンラットの巣の探索になります。」
「まぁ、妥当なところだな。
割り振りはどうする?
連絡の方は村長がやれるよな?」
私はショックからまだ立ち直れずにいた。
村が襲われるかもと聞いて何故冷静でいれる。
頭の中は余計な考えがグルグルと渦巻いている。
「村長聞いているのか?」
「あぁ」
私は気の無い返事をした。
「チッ、今の事態分かっているのか!!?」
舌打ちされ一瞬で頭に血が上る。
「あぁ、分かっているとも!!連絡を取れば良いのだろう!!」
怒りによりショックから立ち直り強い口調で返答をする。
「まぁ、わかっているなら良いさ。
村の補強と魔物の巣の探索に関しては俺が適任を決めておく」
口髭の男が言う。
こいつはいつもそうだ、村長の私を差し置いて仕切りたがる。
しかも村人から信頼され頼りにされている。
目の上のタンコブの様な男だ!!
「そうだな、お前に任せよう」
口惜しいが、人選などはこいつがやる方が良いだろう。
私が人選をするよう命じているのだ、そう言い聞かせ自信を慰める。
「任されたぜ、学者先生は此処に残って村長にアドバイスしてくれ。
ネズミ野郎に関しちゃ村長は無知だからよ。
連絡するにもその辺ちゃんとしないと、向こうさんも事態が把握出来ないだろうよ」
またしてもこいつは仕切り出す!!
一理あるのがまた口惜しい!!




