日常5
「まったく、あの子は。。。
ごめんね、みっともないとこ見せたね」
ケンに見せた剣幕が一瞬で笑顔に変わり私に謝る。
「い、いえいえ」
私は全力で首と手を振り、ヘコヘコした。
「大丈夫だよ、シャリーちゃんみたいな良い子には怒らないよ。
ケンが準備終わるまでゆっくりしてね」
と私の仕草をみてフォローを入れ、お菓子の残りを進めてくれた。
それでも少し怖くはあったがお菓子の誘惑に耐えられずお菓子に手を伸ばすのだった。
玄関から誰か入って来た音がした。
「ただいまー」
ケンの父親が帰って来た様だ。
「おかえり、あんたケンと森に言ったんじゃなかったかい?
随分と遅れて帰ってくるじゃないかい」
「ケンの奴が、いつも迎えに来る女の子が来るからと言って途中から急いで帰ったんだよ。」
とそこまで喋って私に気づいた様だ。
「お邪魔しています。」
「あぁ」
とケンの父親が返す。
「まったく、うちの男どもはまともにお客様を歓迎出来ないのかねぇ」
頭に手を置き大きなため息をついてケンの母親が言った。
「いや、家で待っているとは思っていなったからビックリしてね。
ケンは何処行ったんだ?」
「今準備しているよ。まったくあんたって人は。。。
シャリーちゃんごめんね、この人抜けている所あるから」
私はまたヘコヘコして「いえいえ」と言った。
「今日は何でこんな遅くなったんだい?」
「少し夢中になっただけだよ。ここら辺は珍しい植物が生えていたりするからね。」
「そうかい」
「植物も調査するんですか?」
以前ケンから魔物の調査に来ていると聞いていたので、つい口を挟んでしまった。
「私の専門は植物なんだよ、せっかくここまで来たんだからついでに見ているんだよ」
と優しい口調でケンの父親は答えてくれた。
「そうなんですね。」
。。。
。。。
会話が途切れてしまった!!
「あっ、えーあのー。。。」
「シャr「そういえば、来週薬草取りに行くんです。
あっ、えーっと小さい子達に薬草の取れる場所とか教えるんです。」
ケンの母親が会話が続かない私たちを見て何か言いかけたところに被せて喋ってしまった!!
「ほう、取りに行くのはどんな薬草なんだい?名前が分かると良いが、どんな形なんだい?色は?どんな場所に生えている物かい?」
「あんた!!そんないっぺんに聞いて。シャリーちゃんが困っているじゃないか。」
「あーそうだね。すまない。
そうだ、その薬草取りに私も同行しても良いかい?」
「えっ、あー多分大丈夫だと思います。。。人手はあった方が良いので」
「良かった、そろそろ森の案内を村長さんに頼もうと思っていたところなんだ」
話の流れで薬草取りにケンのお父さんが行く事になったが、勝手に決めて大丈夫だろうか?
一応お母さんに話をしておこう。
「お待たせー」
ケンが準備を終え部屋から出て来た。
もう少し早く出て来てくれれば。。。と思わずにはいられなかった。