第6話 巨大な不良少年
ロテスが重症の知り合いを病院に送ってくれる大人を探す為に、近くの公園の敷地に入った。
すると、180cmくらいのガタイの良い大型な人を見かけたので声をかけた。
「あの、すみません!」
「あぁ!? なんだぁ! オレサマになんかようか!?」
声をかけた人物はもの凄く威圧的な声を返してきた。
「ひぃ!!」
「あぁん!? 何ビビってんだ!? オレサマは、これからこの街を支配してやるからなぁ!! お前はこの街の人間かぁ? じゃあ俺の下僕ってことだな!!」
威圧的な声で暴君みたいな発言をしている大男を見て、ロテスは恐怖でガタガタ震えている。
「おい、ヒョロチビ! おめぇの知り合いに、かわいい女はいるか?」
「お、教えない!!」
「あ!? お前に拒否権はねぇよ! さっさと紹介しろよ! この街は俺の酒池肉林にすんだよ!!」
柄の悪い大男は、ロテスの胸ぐらを掴んで持ち上げる。
「教えるものか!! あの子は僕の大切な女の子だ!!」
ロテスは、恐怖に負けず自分の意思を貫いた。
「そうかよ……そんじゃあ!」
大男は、片手で持ち上げてたロテスを地面に叩きつけた。
「ガハッ!!」
背中からの強い衝撃で声が漏れる。
そして仰向けで倒れているロテスは、右腕が巨大化していく大男の姿を見る。
「オレサマに歯向かう罰だぁ! ぐちゃぐちゃにしてやる!!」
1.8mくらいの拳がロテスを殴ろうとする。
ロテスは、直撃するギリギリの所で右に転がり、かわして立ち上がる。
彼がかわしたことで、拳は地面に直撃し、ドガーーーン!!と音を鳴らした。
「テメェ!! 俺の下僕で奴隷の癖にオレサマのサンドバッグになる役目から逃げてんじゃねぇぞ!!」
自分本意な考えを喚く不良少年は、自身に歯向かうヒョロヒョロの少年に怒りをぶちまける。
ロテスは、身の危険を感じたので、公園の外に逃げ出そうと走り出す。
しかし、不良少年は、逃げる彼を追いかけ巨大化させた右手でロテスの全身を握ろうとした。
だが、ロテスが捕まるその寸前──
「ホーリー・シャイン!!」
聖なる光が3mくらいの大きさの不良少年を包み焼いた。
「サラ! ありがとう。助かったよ」
ロテスはサラの方に駆け寄る。
「いや、まだよ! ロテス。あの柄の悪い大男は──」
「ギャハハハハ!! 痛えじゃねぇか! お!? この女がこのクソヒョロが言ってた『大切な女の子』ってか!? すげえ美人だなぁ!! おい! 女! 俺の女になれよ!」
「お断りするわ! 貴方みたいな野蛮な殿方なんてお断りよ!」
「そうかよ……じゃあ、ボロ雑巾にして解らせてやんよ!!」
不良はそういうと巨大化された拳をサラに振り落とした。