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奴隷商人、一緒に様子見。


サイファと家に着くと、家の前のデッキで爺ちゃんが鍬を磨いていた。


「爺ちゃん、ただいま〜」

「おう、おけーり」


ピカピカに砥石で磨かれた鍬を横に置いて、私とサイファを見る。

畑を広げられて、満足なのかちょっとニマニマしている。


「爺ちゃん、いきなりサイファを畑の開墾に付き合わせないでよ。あれ、重労働でしょ?」


「でも、もう終わったぞ?」

「え?!終わったの?だって、広げるって前言ってたけど‥、結構な広さだよね!?」


私はサイファと、爺ちゃんを交互に見上げると、裏の畑からペリートさんがヨロヨロしながらやって来る。



「種まき、終わりました〜〜・・」



種まきまで!??

畝を作るのだって、結構大変だよ?!

ペリートさんを見ると、首にかけたタオルで汗を拭きつつ、


「そこのサイファと、ドロワのおやっさんが、二人で木をあっという間に切り倒して、根っこまであっさり掘り起こしちまうもんだから、真面目に畑仕事しちまったよ」


「いや、いつも真面目に仕事して下さい。でもお疲れ様でした」


そう言いながらも、本当に!?って、信じられなくて

畑へ向かうと、サイファも後ろからついてくる。



ほ、本当だ!!!

畑が開墾されているし、畝まで綺麗に作られている!?



「す、すごい!!!」

「明日は、害獣避けの為に柵も作る」


「えええ〜〜〜!!!すごすぎる〜〜!!でも助かる〜!!!」



感動して畑を見ると、小さく笑った気配がして、後ろを振り返る。

サイファは、いつものすました顔で私を見てるけど‥、心なしか嬉しそうだ。



「‥奴隷になれるだろうか?」



そっちかーい!!!


「いや、これなら完璧な農家になれると思います」

「‥そうか、道は険しいな」


いや、険しくない。

むしろ農家の方が健全なルートなんだから、そっちを歩こうか?



この人、本当に天然だな〜と、思いつつ、

こっちにこの野菜、ここはあの野菜を植えると、辿々しく説明してくれるサイファにちょっと嬉しくなる。まあ、畑作業ができる奴隷として販売すれば、高く売れるだろう。


その前に、竜族というネームバリューが幅をきかせそうだけど。



「サイファ、ありがとうございます」



しみじみと畑を見ながらそう言うと、サイファはまたぎこちなく笑った。

うんうん、笑顔も出てきて良かった。



ひとまず奴隷を販売した人達の様子を見に行く為に用意すると、玄関にサイファが立っている。


「あれ?サイファ、仕事は?」

「ドロワさんが、仕事を一緒に見て来いと‥」


へ〜!珍しいな!

こんなに使えるサイファを独り占めしないなんて!

大概、よく使える奴隷は色々教え込みつつ、一緒に作業をするんだけど‥。まぁ〜半日であんだけ畑の開墾しちゃえば疲れもするか。



「そっか、じゃあ一緒に行こう。えーと、今日はパン屋のツェルさんちに行く予定なんだ」


そう言うと、サイファは静かに頷いて私の後をついてくる。

‥竜って、人懐っこい生き物なんだろうか。



街の方へ向かって歩きつつ、サイファにパン屋さんについて説明する。


「ツェルさん家はね、子供が巣立っちゃったんで鳥の獣人のリコを買ってくれたの。力仕事も多いから、リコはその点獣人だからね〜。よく働いてくれるからって、喜ばれてるんだ〜」


ただ、リコは喜んで貰うのが好きすぎて、すぐ無理をするから‥その点が心配なんだよね〜。

そんな訳で、パンを買いに行きつつ、ちょこちょこ様子を見に行く私‥。

普通は売ったら、あとは知らな〜い‥なんだけどね。



サイファはそんな私の話を聞いてちょっと感心したように私を見て‥、



「売った後も大事にするんだな」

「もちろん!!目指すは皆が幸せに!!が目標だもん」



万全のアフターケアもうちの売りですからね。

そう笑って話すと、奴隷希望のサイファはまたぎこちなく笑ってくれた。



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