奴隷商人、迎え撃つ?!
授業が終わって、先生から笑顔でたんまり宿題を貰って校門まで向かおうとすると、玄関でアッシュが待っててくれた。
「アッシュ、今日はありがとね〜」
「まぁ、大した事はしてないけどな」
「いや、情報助かったよ。カフェのバイトもお願いしたいけど、ちょっと落ち着いたら本格的にお願いしに行くね」
アッシュは、ちょっと笑って頷くと、私と一緒に校門まで歩いていく。
校門の方にサイファの黒い髪がちらっと見えた。
「‥あいつは、大丈夫なのか?」
「サイファの事?」
「まだ来て、そう日が経ってないだろ?」
「え?あ、そういえばそうだった‥」
「お前なぁ‥」
いや〜、なんか色々ありすぎて‥。
そんな細かい事まで考える暇もなかったよ。
私の気配に気付いたサイファは、私を見るとホッとした顔をしていた。仕事をして迎えに来てくれてありがたいけど、体力大丈夫なのかな‥。いや、きっと大丈夫か竜族だし。
アッシュに校門前で別れて、サイファと一緒に家に帰る。
「サイファ、仕事はどうだった?」
「先日、多めに持っていったから、楽だった。狼は出なかった」
「あ、良かった〜。心配してたんだ!」
「‥できれば、出て欲しかった。稼げる」
サイファさーん?
レメさんが真っ青になっちゃうから、やめておこうね‥。
「サイファさん、平和が一番だよ」
「‥そうなのか」
そうなんだよ。
嫌だよ、サイファが行く度に狼が出るなんて‥。お金を稼ぐ事をこんなにも積極的にさせてしまった私はちょっと目眩を覚えつつサイファと家に戻った。
家に戻ると、予定通り山へ薬草と果物を採りにサイファとペリートさんで行こうとすると、ペリートさんに私は止められてしまった‥。
「え〜〜、なんで?!」
「クラウンさんに気を付けてやれって言われたからな」
「「ううっ‥!!」」
「いつもなら自分の手で稼げって言うけど、今回は危ないからやめておけ。狼だって万が一出てこないとは限らないんだから」
‥それを言われると確実に足手まとい要員だからな。
ブスーっとむくれつつ、頷くとペリートさんに頭をぐしゃぐしゃ撫でられた。ちょ、ちょっと〜〜!!?乙女の髪を乱すでない!!
二人を見送ってから、ピコとヒューイ、ニュイさんと一緒にキッチンでジャムを作るべく、果物の下処理をするとあっという間に夕方だ。
爺ちゃんがウキウキした顔で家に戻ってきて、キッチンへ笑顔でやって来る。
「お?なんだ?ペリートと、サイファはどこに行った?」
「ああ、裏の山に薬草と、果物を採りに行ったよ。ほら、この間狼が出たからさ〜」
「ああ、そうだったな」
「爺ちゃん、剣出来たの?」
私がそう聞くと、爺ちゃんがニンマリ笑う。
「今回は、ダガーと飛び道具も作ったから、色々試したくってなぁ!!」
爺ちゃんはゴツイベストの半分を広げて、胸元にいくつも小さな剣や、細長い剣を収納してあるのを見せてくれた。今度は大きな武器になる斧を作るらしい‥。ドンドンすごい武器作っていくな?
呆れたように私が爺ちゃんの武器を見ていると、ニュイさんがピクッと耳を動かして、急に真剣な表情になる。
「ニュイさん?」
私が名前を呼ぶと、ニュイさんが私とドロワさんを見る。
「奴隷を売りに来た奴らと同じ匂いをしたのがこちらに来ます。複数です」
ヒューイの顔が強張り、ピコがヒューイの体を守るように背中をさする。爺ちゃんは私達を見て、
「ピコ、山まで飛んで知らせに行ってくれ。あとの三人は二階へ隠れていろ。ちょうど武器も出来たし、試すにはちょうどいい!!」
すっごい大変な事態なのに、なぜこんなにも嬉しそうなんであろうか。
ちょっと遠い目になるけど、まぁ、爺ちゃんだしな。
ひとまず言われた通り、すぐにヒューイを連れて二階へ行こうとすると、パリンと何かが割れる音がした。あ!!ガラスを破ってきた!?ちょっと〜〜!!!ガラス代もバカにならないのに〜〜〜!!!




