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奴隷商人の、従業員が優秀すぎる?


レメさんの農場に無事、逃げた馬を誘導してあっという間に柵の中へ一頭残らず戻したサイファ。


我々は、それを口をあんぐり開けて見ているだけでした‥。

奴隷希望の従業員が優秀すぎる件について〜〜〜。


レメさんは、それはそれは大変喜んでくれて、色々うちでは作ってない野菜をたんまりくれた。やった!!!これで食費が大分浮く!!心の中でガッツポーズをする17歳。乙女としていいのか?って思うけど、ご飯は大事である。



サイファの乗馬の技術を見て、レメさんは、


「馬に乗れるなら、隣街に野菜を卸しに行く時に、手伝って貰えるかい?」


なんと!!

お仕事の依頼である!!

サイファは、ちょっと戸惑った顔をして私を見る。


ん?ダメな感じ??

サイファは、レメさんを見て‥、


「‥一応、奴隷なので、仕事料はフィオに」


「え??!!」


私は驚いて声をあげるけど、レメさんは大きく頷いて、


「あんた奴隷だったのか?!すぐに売れそうだな〜!!もちろんお代は出すよ。働いて貰ったらもちろん給与を渡すよ!早速、明日の9時にここへまた来てくれるかい?」


「‥分かった」


静かにサイファが頷いて、了承してるけど、

ちょ、ちょっと待て!!!

なんで私がお金を貰うんだよ!!サイファは奴隷でもなんでもないのに!!



サイファとペリートさんと、頂いた野菜を持って歩いて帰りがてらサイファに速攻で問い質す。


「なんでサイファ、奴隷なんて言ったの?従業員なのに‥」

「適正を見極めるといったが、どうだった?」


「話を聞いている?!まだ奴隷じゃないんだから、お給与はサイファのモノだからね!あと適正はまだ見極め中だし、奴隷にも致しません!!」


サイファは、静かに私を見つめて‥、


「‥食費を支払いたい」

「うっ」

「‥従業員であっても、食費は、かかる」

「ううっ」

「‥光熱費も、かかる」

「うううっ」


ペリートさんが、私の横でゲラゲラ笑い出して、


「おっまえ面白いな〜〜!!いいじゃねぇか!フィオ。自分で稼いで来てくれる従業員なんて有難いくらいだ」


「で、でも、サイファは奴隷でもなんでもないのに」

「うちに来たら、助け合うのが普通なんだ。奴隷でも、従業員でも」


だろ?ってペリートさんがニヤっと笑ってそういうと、

私は何も言えなくなってしまう。



うちは奴隷はいるけど「お願い」はするけど「命令」はしない。その代わり、皆で助け合う。そんなのきっと奴隷と商人の中ではあり得ないのかもしれないけど、うちはそのシステムだ。


サイファをもう一度見上げると、

夕陽に照らされたサイファの綺麗な顔が、心配そうにこちらを見ているのに気付く。



「‥まぁ、それなら、分かりました。ただ、食費だけです!あとは自分の必要な物を取り揃えて下さいね」



私がそういうと、サイファはようやくホッとした顔をする。

‥なんという配慮のある奴隷希望か。


ペリートさんは、ニマニマ笑って、


「あ〜、じゃあ俺、お酒飲みたいんだけど〜」

「こら!ペリートさん!!サイファにたからない!!酒代は自分の稼ぎからです!」


ちえ〜〜って口を尖らせるペリートさん。

マジで頼むよ、奴隷さん。

匂いを嗅いで探してくれたから、あとでおつまみ代くらいはあげるけど。



我が家は奴隷に甘すぎるのかもしれない。

でもとりあえず、食費がちょっと心配なくなって嬉しい!思わず腕の中の野菜を見て微笑んでいると、サイファがちらっと私を見て、



「フィオ、嬉しい?」

「え?あ、野菜ですか?」

「仕事‥」

「ああ、もちろんですよ!仕事ゲットなんてすごいです!!サイファ!」



そういうと、まだまだぎこちないけど、嬉しそうに小さくサイファが笑った。うんうん、たった1日で仕事をゲットしてくるんだもん。大したもんだよ〜〜!


横にいるペリートさんが、「俺は?俺は??」と聞いてくるので、


「あー、ペリートさんお酒さえ飲まなきゃな〜〜」


って言っておいた。

何事もほどほどが一番である。



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