2人海の旅
魔物の住む街を抜け、海に来た。
生まれて初めての海、そこで出会った男。
旅の道中一行は魔物の群れに追われ廃墟の街に逃げ込んだ。
木製の家々が立ち並ぶ。
その町で一番高く聳え立つ展望台、2人はそこに居た。
タンポポ「ね〜まだ〜?」
アオイ「ま〜〜だ」
案の定、街は魔物の巣穴出会った。2人は展望台に避難し4日間の間対策を練りつつ居座っていた。
アオイは孤立した魔物に狙いを定めて魔弾を放つ。
タンポポ「た〜〜い〜〜く〜〜つーー!」
アオイ「そう思うなら手を動かせ」
2人は袋から火の魔石5つ取り出し、それぞれに魔法陣を描いて縄で縛る。
それを皮製の布で包み爆弾の完成。
この状況を打開するためには少なくとも10束は必要。
だが持ち物に火の魔石がないため街の魔物を殺して得るしかない。
アオイ「これでようやく10束か・・・・そお言えばお前4日間何も食べてないのによく平気だな」
タンポポ「あ〜〜そりゃここら一体の魔物全体食べたから、今殺したのが最後」
口の中に手を突っ込み大量の魔物の骨の塊を取り出すと外に投げた。
展望台の下を覗くと山の様に骨が捨てられている。
アオイはタンポポの旋毛にチョップを繰り出す。
タンポポ「イッタ〜〜イ!!この短気野郎め!」
アオイ「先に言えよ!つうか、1トン以上あるだろこれ」
タンポポ「あ〜〜実は爆食袋がレベルⅢになって3トンまで入るように〜」
アオイ「・・・は〜〜なんかバカバカしくなって来た。早くダンゴローのとこ戻ろう」
2人は下に降り展望台の施設の中に隠れて居たダンゴローに乗って街の外を目指した。
道中、アオイが一軒のお店に目を止めた。
アオイ「図書館……ちょっと待ってろ」
中に入に入る。
アオイ(薬学………生物学…………魔法学・・・・・絵本も持っていくか)
あらかたの本を抱え、台車に戻る。
タンポポ「それ、食べれるの?」
アオイ「おバカ、食べれないよ。だけど知識は大事だ」
それから街を出た。
しばらくして2人は海に着いた。
あたりはすっかり夕暮れ時。
タンポポ「わ〜〜海〜〜!」
アオイ「・・・・・生まれて始めて見た」
タンポポ「ねえ、あそこにいるの人間?」
砂浜に半裸の男が砂に落書きをしている。
タンポポ「何してるの?」
男「は?わぁぁぁーーー!!!!」
男は驚いて尻餅をついた。
男「何だ人間か…君たち誰?」
アオイ「俺がアオイでこっちがタンポポだ。そんな驚かなくても」
男の手を引いて立ち上がらせる。
男「いやすまん、私はアダンだ」
アオイ「まあ、生きてる人間少ないからな、しかし……凄い量だな」
男が書いた砂浜に広がる羅列された文字。
アダン「毎日暇でな気付いた事を書き留めているんだ」
アオイ「直ぐに波に消されるのでは?」
アダン「ハハハそれはそれで良いんだ。どれ同種のよしみだ夕ご飯でもご馳走するよ」
アオイ「いや悪いって」
アダン「遠慮するな、海には衣食住全てが揃っている」
そお言って、水の中に手を突っ込み網を引き上げた。
網には魚の魔物が掛かっている。
夜、木枠を組んで火を炊き、そこに棒に刺した魚を並べる。
良い香りにニヤけるタンポポ。
アダン「そうだ、少し僕の自慢話を聞いてくれないか?」
アオイ「砂浜に書いてたやつだろ?」
アダン「気付いてた?あれはただの落書きではなくて陰陽の魔法式なんだ」
陰陽=化学と魔法
アダン「万有引力の力、科学者の間では地球のコアから流れる魔力で発生している力とされて居た。しかし違う、これを見て欲しい」
アダンが指を鳴らすと、周囲に青い光を放つ魚の群れが現れた。
アダン「海の底には古来の生き物達が住んでいると言われていてね。これは僕の映像魔法で
約4千メートルの深海を写したものだ」
タンポポ「わ〜〜、キレ〜〜ね〜」
タンポポが焼けた魚を頬張る。アダンが魚を取りアオイに手渡す。
アダン「この生き物達には魔力がない。昔地球上で暮らして居た『動物』と言われる生き物
」
アオイ「成る程………古来の生き物に魔力が無いのなら万有引力の力も魔法出ない可能性がある………と」
アダン「その通り、だけど僕は100%違うと思っている。・・・・君は頭が切れそうだからつい話し込んでしまったね」
アオイ「いや、面白かったよ」
タンポポ「でもそんな事分かって意味あるの?」
アオイ「おい、お前な〜」
アダンがクスクスと笑いだす。
アダン「ハハハ、ロマンがあるだろ?それにさっき君は綺麗だと言ったね、それが全てだ」
タンポポ「ん〜〜〜ん、分かった様な〜〜分からんような〜〜?」